エピソード2
素人は株に手を出すな
「小塚経済研究所」の名刺を見ながら「何か怪しくない?」と心配する、充ちる(岡本綾)に、「世界がマーケット、朝から晩まで神経張りつめっぱなし・・・」と、胸を張った白戸(長瀬智也)だが、小塚(植木等)に命じられるのは、株価のチェックに、新聞を読むこと。暇を持て余す白戸は小塚に内緒で、小額ながら株取引を始めていた。「菊奴のエサを買ってこい」という小塚の指示を口実に、白戸は小塚宅兼会社を出て証券会社に向かっているころ、山崎(原田泰造)は、相続保険被害者の会が、まつば銀行を告訴という記事にうろたえる行員をたしなめていた。そこへ、まつば香港の美紀(金子さやか)から、フランスの企業グループが日本の大手百貨店の経営に乗り出しそうという極秘情報が入った。久々のビッグチャンス!と判断、山崎は「できるだけ買い集めろ」と、美紀に支持した。少々の儲けに大声で喜ぶ白戸は証券会社の窓口で「お兄さん景気がよさそう」と、美容学校経営者の愛子(中尾ミエ)に声をかけられ、500万円の運用を任せられる。そのころ小塚の家を充ちるが訪ねてた。アーミーナイフをいじる蒔田(松重豊)ら不審な男たちに充ちるはビクビクだ。白戸は愛子の500万円でゲーム機メーカーの株を買った。証券会社から「どんどん株は上がってます。さすが目の付け所が違う」と、お世辞も加わって、白戸に連絡が次々入る。有頂天な白戸を余所に、小塚は、成り行きで、山崎と同じ百貨店株を買いまくっていた。白戸は株が上がり、上機嫌の愛子の部屋を訪ねた。そこには愛子に入学生が少ないと怒鳴られる職員がいた。ふと部屋の隅を見ると、胡蝶蘭の花束にまじり、一本だけすずらんがあった。不思議に思う白戸に愛子は「別居する息子が私の誕生花を覚えていて持ってきてくれるのと」説明するのだった。ところが、一変してゲーム機メーカーの株価が下がり始め、愛子の態度も急変した。「あの金はあなたに貸したもの。株価の上下は関係ない。500万そろえて返してくれればいい」と白戸に迫ってきた。白戸に500万円なんてあるはずはない。ほとほと白戸は困りはて、まつば銀行に借りに行くが、山崎が出てきて「担保なし、保証人なし。到底無理お引き取り下さい」と冷たく、追い払われてしまった。ところが、白戸への融資は実行された。百貨店株がなかなか買えない苛立ちも手伝い「なぜだ」と怒鳴る山崎に「小塚という超大口顧客の知り合いで」と説明。山崎は「小塚?どこかで聞いたような」と、小首を傾げた。「助けてくれてありがとうございます」。小塚が保証人になって借りることができた500万円を前に白戸が小塚に頭を下げると、小塚は「値動きの出る面白い株がある。やってみるか、もう度胸はないか」と白戸を試すように語り始め「売り時は自分で見極めろ」と付け加えた。一か八か白戸は小塚が教えてくれた百貨店株を買った。そのころ、山崎は美紀からのなかなか買えないの報告に焦りを募らせていた。