元レーサーで遊び人の的場健は妹と称する洋子と同棲していた。健にとって洋子は単なる金づるで、セックスと銭で自由に操っていたが、洋子にとって健は熱愛するただ一人の男であった。健はそれをいいことに洋子を利用して女を手なずけ、実母・的場せいの経営する高級売春ホテル「夢の部屋」へ売りとばしていた。洋子は雨が降る度に赤いパラソルをさして街頭で女性に近づき、彼女の勤め先であるスナック「テルミー」に誘っては健に紹介するといった手口を使っていた。洋子の毎日は金とセックスに縛られたあやつり人形のような生活であったが、そんな彼女とは知らずに洋子にすっかり参っていた男がいた。[人情]（Ｃ）東映