
少年探偵団 鉄塔の怪人
明智探偵の機知により、設計図は危うく難を逃れるが、二十面相の駆使する機械化新兵器、怪物かぶと虫は少年探偵団員の植村、相川、小林、斉藤君たちを攫い、焼跡の廃工場の地下室に閉じ込めてしまう。救出のため、中村捜査課長指揮する警視庁捜査陣は非常線を張るが、かぶと虫兵器の行方は分からなかった。そんな中、二十面相は、その巧みな変幻自在の変装を弄して、明智探偵の爆死を図ったり、正木警部補に扮して、原子力委員長の相川恒男の脅迫を行った。一方、廃工場に幽閉された少年たちの中、小林少年が咄嗟の機転で見事脱出に成功する。これを知った二十面相は、先手を打っての反撃に出る。かぶと虫戦車が残った少年団員および吉川博士とその娘・芳江に襲い掛かり、全員をその本拠たる鉄塔王国へと連れ去る。第八チャンネルの発信源となる鉄塔王国は一体何処にあるのか?第八チャンネルのテレビには、苦役する少年団員たちや猿轡をされた芳江の傍らで開発を強要される吉川博士の痛ましい姿があった。二十面相は、博士の研究を進めさせ、その成果を某国に売ろうと企んでいるのだ。最早一刻たりとも猶予は許されないと判断した明智探偵とその助手マリ子、中村捜査課長以下捜査班は、予てより推測していた中部山岳地帯の現地へと直行する。そして、二十面相の車に潜み、隠れ家を突き止めた小林少年が必死の無線連絡を送る。急行する明智探偵等が見たものは、山々の間に忽然と現れた大鉄塔。だがその時、囚われた少年たちの死刑が今まさに執行されんとしていた。殺到する警官隊、そして応戦するかぶと虫兵器…。劣勢に立つ二十面相は、卑劣にも小林少年を鉄塔上に吊す。ヘリコプターで救出に向かう明智探偵は、二十面相と鉄塔上で決死の斗いを繰り広げる。だが、その死斗の結末とは、二十面相が足を踏み外し、千仞の谷底へと落下していくのであった…。(C)東映