大恐慌のさなか、ディクソンが頭取を務める銀行に強盗が入る。被害額は10万ドルだったが、いつの間にか世間の噂では500万ドルの巨額に膨れ上がってしまう。噂を聞きつけた預金者は次々に解約に押し寄せ、銀行は倒産の危機に瀕する。その上、ディクソンは予てから彼を煙たがる取締役員会の役員から辞任を詰め寄られ、苦境に立たされるのだが・・・。理想に燃える個人が組織社会に立ち向かうというテーマは、キャプラ作品の真骨頂。1932年の新聞の見出しにヒントを得て製作された本作は、フーバーの経済復興策に不信を抱く当時の観衆の心に鋭く切り込んだ。主演は「黄金」のウォルター・ヒューストン、「汚れた顔の天使」のパット・オブライエン。
