留吉と権助は大和家酒造へ出稼ぎに来ていた。働き者の留吉は年が明けると杜氏の大将格の船頭に抜擢されることになった。留吉の出世を妬む権助は母親危篤で一時帰郷する。雪景色の立ち飲み屋で留吉の兄伊助がシベリア出兵中に女を抱いた話を聞いた権助は、その帰り道に出会った留吉の嫁おしんを犯してしまう。白酒の節句の日、大和家では表彰式が行われ、留吉に表彰状と金子が手渡された。一方、おしんは権助の子を宿しており、人目につくのを恐れる日々を過ごし、なんとかお腹の子を堕ろそうと必死の努力を続けていた。仕事仕舞いの3月が来て、留吉と権助は連れ立って越後へ帰った。おしんの妊娠を喜んでいた留吉は、権助の子だと知ると激しい怒りに身を震わせておしんを水田の中に押し倒していた。留吉はおしんを篭に入れて下山すると、権助が出征兵士として村人たちに送られるところだった。留吉は権助の首をかき抱くと谷底へと身を投げる…。(C)東映
