江戸時代。傘貼り浪人の父親と、飼い犬の栗之介と一緒に暮らす少年・栗太郎。幼い頃に母親を亡くして以来、父子家庭で貧乏生活を送りながらもたくましく生活している。街の人々との心優しい触れあいに、今日も元気を分けてもらいながら。
エピソード1
貝殻
朝、餌の時間になっても姿を見せない栗之助に一抹の不安を感じる栗太郎。その頃、栗之助は我がままなお姫様に捕まり、自由を奪われていた。しかし、栗之助は一瞬の隙を突き、栗太郎のもとへ逃げるが...。
エピソード2
こいのぼり
寺子屋の友人・竹村に金箔のこいのぼりを自慢された栗太郎は、悔しさのあまり「うちにもこいのぼりぐらいある!」と言い張ってしまう。しかし、貧しい家にあるのは、汚れたつぎはぎだらけのこいのぼりだった。
エピソード3
前略母上様
季節は七夕。街で仲良さそうに話す母子を見て、母親がいないことを改めて感じる栗太郎は、己の寂しい境遇に落ち込んでしまう。父は栗太郎に明るく話しかけるが、栗太郎は抑え込んでいた感情を爆発させてしまう。