ローマ帝国がユダヤを占拠していた混乱の時代。ナザレの小さな街の職人ヨセフがある日、婚約者のマリアから「神の子を身ごもった」と告げられる。事実を受け入れられないヨセフだったが、苦難の末に、生まれた子・イエスを息子として生涯愛し守り抜くことを誓うのだが。

イエスが生まれてからおよそ30年。洗礼者ヨハネは、ヘロデ大王の息子アンティパスを含む支配者たちに対し、悔い改めるよう荒野で説教をする。イエスにも洗礼を施した後、ヨハネはアンティパスの義理の娘サロメとのいさかいにより斬首される。イエスの先駆者としての彼の人生とはいったいどんなものだったのか?

受難の運命を負ったイエスの使命と、息子を守りたい気持ちの間で悩む母マリアと父ヨセフ。そんな中、イエスは母に頼まれ、カナの婚礼で初めて公の場で奇跡を起こす。しかし、それが自分自身のみならず家族の命も危険にさらすこととなる。イエスはカファルナウムの地で安息日に人を癒すが、それが有権者を激怒させ、ますます岐路に立たされる。

エルサレムの大祭司･カイアファは、信仰を守りたい気持ちとローマの抑圧的な力との狭間で思い悩む。ナザレのイエス･キリストの挑発がどれほど世に影響をもたらすのか判断が迫られる頃、「死んだラザロを生き返らせた」というイエスの驚くべき奇跡が転機となる。ローマの総督ポンティウス･ピラトからの残忍な報復を恐れたカイアファは、イエスを止めることを決意するのだが。

聖書最大の謎の一つとされているユダの裏切り。イエスと弟子たちは、過越の祭りのためエルサレムに戻ってくるのだが、イエスの最も親しい友人だったはずのユダが、なぜ突然イエスを裏切ることになったのか？彼らは最後の晩餐を向かえることとなる。

ローマ総督ポンティウス･ピラトは、イエスの処遇について決断を迫られる。イエスを処刑すべきだという圧力が高まる中、ある予言的な夢を見たピラトの妻は、翌朝イエスを釈放するよう夫に懇願する。それにより、ピラトはイエスの十字架刑の責任を他の者へ押し付けようとするのだが。