田中芳樹の同名人気小説の本伝をもとにアニメ化したOVAシリーズの第1期。数千年後の未来、果てしない戦いを続ける人類たちの間に彗星のように現れた二人の英雄、帝国のラインハルトと同盟のヤン…。この宿命の二人の戦いを中心に、壮大なスケールで銀河の歴史を描くSF大河ストーリー。第1期では、帝国と同盟との激戦であるアスターテ会戦やアムリッツァ星域会戦に始まり、ラインハルトが帝国内で莫大な権力を手に入れるリップシュタット戦役までを描く。
エピソード1
永遠の夜の中で
宇宙暦796年、帝国暦487年、アスターテ星域において、銀河帝国軍と自由惑星同盟軍は対峙していた。戦力比は帝国軍20000隻に対し、同盟軍40000隻。誰もが同盟軍の勝利を疑わなかったが、帝国軍司令官ラインハルト・フォン・ローエングラムは、諸提督の反対を押し切って、戦闘宙域に集結する前の同盟軍各艦隊の各個撃破に出、劣勢を跳ね返す。第四艦隊、第六艦隊を瞬く間に葬り去った帝国軍は、残る第二艦隊に矛先を向ける。しかし、ここにはラインハルトの戦略を見抜いていた、ヤン・ウェンリーがいた。
エピソード2
アスターテ会戦
今や勝利に疑いのない帝国軍は、優勢を跳ね返されて士気の落ちる同盟軍第二艦隊に総攻撃をかける。不意を突かれた同盟軍は、旗艦パトロクロスまでも被弾し、パエッタ司令官が負傷する。彼から指揮権を委譲されたヤンは、完全勝利のため中央突破を図るラインハルトの気持ちを読み切っていた。彼は自軍が分断されたと見せかけて、急速前進して敵の背後に出ることに成功、同じく背後を衝こうと転進する帝国軍と膠着状態に持ち込み、辛うじて引き分けた。
エピソード3
第十三艦隊誕生
仮病で欠席したアスターテ会戦戦没者追悼式典の中継を見ていたヤンは、婚約者ジャン・ロベール・ラップを喪った彼の友人ジェシカ・エドワーズが、国防委員長ヨブ・トリューニヒトを公衆の面前で非難するところを目撃する。後輩のダスティ・アッテンボローと慌てて会場に向かった彼は、トリューニヒトの私兵軍団である憂国騎士団に彼女が暴行される寸前で助け出し、自宅に連れていく。だが憂国騎士団は、ヤンの家にまで攻撃をかけてくるが、ヤンの機転で追い返された。
エピソード4
帝国の残照
アスターテ会戦の功績により、ラインハルトは帝国元帥、宇宙艦隊副司令長官に昇進した。皇帝より、姉アンネローゼとの面会を許された彼は、彼女の住む館へ向かった。同行するキルヒアイスの脳裏にさまざまな情景が蘇る。それは、彼の家の隣に、天から舞い降りたような金髪の姉弟が引っ越してきてから三人で過ごした短かったが幸せな時間、ある日皇帝の寵姫として宮廷に奪い去られた彼女を助けるため、皇帝の、そして帝国の打倒を二人で誓いあったあの日のことだった。
エピソード5
カストロプ動乱
不正で私腹を肥やしていた亡父の遺産返還を帝国政府から求められたマクシミリアン・フォン・カストロプは、無人防空衛星「首飾り」を自領の惑星周辺に配置し、帝国に反旗を翻していた。極めて強力な防空システムである「首飾り」によって、討伐軍も返り討ちにしてしまう。少将となったキルヒアイスにラインハルトは再度の叛乱鎮圧の勅命を下す。何故か先の討伐軍よりも少ない戦力で赴くキルヒアイスに、部下たちは疑問を抱くが…。
エピソード6
薔薇の騎士
第十三艦隊司令官となったヤンに下された指令は、軍事要衝であるイゼルローン要塞の攻略だった。部隊編成に腐心する彼の目に、横暴なトリューニヒト派の軍人を威圧したワルター・フォン・シェーンコップが映る。彼は白兵戦において並ぶ者なしと謳われる「薔薇の騎士」連隊の隊長だった。彼らを麾下に加えたヤンが、以前から考えていた要塞攻略の作戦と自らの腹づもりを語ると、いつ裏切るとも知れないシェーンコップは不敵に笑う。
堀川りょう
富山敬
石黒昇