アフリカの東海岸を縦断している大地溝帯「グレート･リフト･ヴァレー」。地球深層のひずみの影響で、現在もその距離が広がり続けている地表の巨大な裂け目である。特異な地表の構造は、自然環境にも大きな影響を与え、ここでしか見ることのできない動植物も数多く存在する。エチオピアからタンザニアへ、さらにそこから西に延びるもう一つの谷を、マウンテンゴリラの唯一の生息地、ヴィルンガ国立公園までさかのぼる。

アフリカ東海岸を縦断するグレート･リフト･ヴァレーで、水と深く関わりながら生きている生き物たちとその生態環境に迫る。多様な生き物が独自の生態系を築くウエスタン･リフトの湖。一方、水が強いアルカリ性を帯び、ごく一部の生き物しか生息することができないイースタン･リフトの湖。火山活動の影響で、深海から栄養豊富な水が湧きプランクトンが豊かな海となっているジブチの沖など、様々な環境で生きる動植物の姿を描く。

かつては緑豊かなジャングルに覆われていたアフリカ東部。だが、グレート･リフト･ヴァレーが形成され、火山の噴火によって火山灰が降り積もったために樹木が育ちにくくなり、今では乾燥した平原が広がっている。今回は、この地で生きる草食動物たちと肉食動物たち、そして彼らの生と死のドラマを追う。また、サバンナで群れて生活し、夜になると木の上に登って眠るヒヒの姿からは、人間の太古の人類の祖先の生き方を学ぶ。