1880年代、ベンツが世界初の自動車を造ったことで自動車産業の競争が始まる。ダイムラーとマイバッハはパワフルなレースカーを造り、やがてメルセデスを完成させる。イギリスでは自動車の輸入販売をしていたロールスが技師のロイスに接近。新たなブランドを立ち上げようとする。

20世紀に突入し、イギリスのロールスロイスとベントレー、ドイツのベンツとダイムラー、アメリカのフォードによる覇権争いが激化する。そんな中、第1次世界大戦が勃発。終戦を迎えた時には戦争の勝敗が自動車メーカーの明暗を分けたかに見えた。だがやがて世界恐慌が起き、自動車業界は混迷の渦にのみ込まれていく。

1930年代、ポルシェはヒトラーの命令で大衆車フォルクスワーゲンの製造を始め、日本では豊田喜一郎や本田宗一郎が自動車の可能性に目をつける。しかし世界は戦争の時代に突入。各国の自動車メーカーは戦車や軍用機の製造に携わるようになる。そして戦争の行方が各メーカーの未来を左右する。

第2次世界大戦後、戦禍を免れたアメリカは繁栄を謳歌。一方、敗戦国となったドイツではポルシェ父子が、日本では本田宗一郎や豊田喜一郎らが資源不足と戦勝国からの締めつけにより辛酸をなめる。だが自動車に未来を懸けたドイツ勢と日本勢は、不退転の決意で戦後の焦土から立ち上がり、世界の頂点を目指す。