ZIP! 朝ドラマ サヨウナラのその前に

高校3年生の椿木宙 (奥平大兼) は、親友の拓馬 (浅野竣哉)、岳 (山時聡真) と3人で、通い慣れた学校を訪れていた。1年前、官房長官が記者会見で国民に告げた…「我々人類に…滅亡の危機が訪れました」。どうやら地球に巨大な隕石が接近しているらしい。その発表に世間は大混乱! アテのない大移動をしたり、犯罪が激増したり、意味不明な革命YouTuberが乱立したり…。やがて研究が進んで衝突回避説が流れ始めると、人類滅亡を信じる者は次第に少なくなっていった……。そんな中、今でも休校が続いている誰もいない校舎で、宙は地球最後の“しょうもない遊び”を思いつく……。

観月未希 (みづきみき)(南沙良) は、誰もいない学校で鬼ごっこを全力でする幼馴染の宙 (奥平大兼) を冷めた目で見つめていた。「私の数少ない大失敗の一つが…椿木宙だ」未希には脳内で冷静に分析してしまう“面倒くさい癖”がある。そのおかげで比較的失敗の少ない人生を歩んできた自負があるが、13年前から“自分でも許せない”ある思いを抱え続けていて…。

物理教師の渡会実 (北村一輝) は、池の前に落ちていたどんぐりを一つ拾う。「いつからだろうか。どんぐりを見つけても何も思わなくなったのは…」最近“楽しい”と心が躍る瞬間がなくなっていた。隕石接近の発表からほどなく休校となり、教師は自宅待機が命じられた。渡会が家にずっといることを妻･三恵 (片岡礼子) と娘･京子 (吉田美月喜) は煙たがり居場所はなくなっていた。そして渡会は誰もいない学校にここ1か月ほど通い続けている。２０年前、生徒とした『ある一つの約束』を果たすために。そして今日も誰もいない職員室に1人でいると突然扉が開き、振り向くとそこには…?!

喫茶店主･金島陽子 (真木よう子) が店を閉めようとしていたところに、宙･拓馬･岳･渡会がやってきた。「私の人生は本当にタイミングが悪い…」1年前、念願の喫茶店をオープンした日に隕石接近が発表され、その直後に彼と破局し、翌日に妊娠が発覚。お腹の子どもをどうするか、元彼に相談するべきか、散々悩んだ末に陽子は一人で産むことを決意。しかし、仕事も将来も不安だらけな上に最近では、“最悪な客”が毎日のように店に来るようになり…。

「俺は、世界で一番『月曜日』が嫌いだ」。自称･スーパーアクティブな引きこもりの佐藤開 (西岡星汰)。8畳の自分の部屋には人生を彩るモノが全て詰まっている。薄四角い電脳機器=パソコンによってどんな夢も叶えられ世界中の人とも繋がることができた。それ『だけ』で自分の人生は満足だと思っていた。しかし月曜日になると自分だけ何かの終わりを突きつけられているような気持ちになるのだった。そんな大嫌いな月曜日の夜、缶コーヒーを買いに自販機を訪れた開は、観月未希と出会い……。

家の鍵を失くした宙 (奥平大兼) は、幼なじみの未希 (南沙良) に一晩泊めて欲しいと懇願する。宙の家庭事情を知る未希は嬉しさ半分でしぶしぶ泊めることに。翌朝、「おはよう」と笑顔で言い合う2人。宙の提案で喫茶『メイヨーエン』に朝食を食べに行く。そこで美味しそうにトーストを食べる宙を見つめながら未希は、『1年前の隕石衝突の発表日に“地球滅亡の危機より宙の危機を心配した”こと』を思い出す。しかし数分後、未希は“最低な言葉”で宙をどうしようもなく傷つけてしまい…。