チング 俺たちの伝説

ジュンソク、サンテク、ジュンホの通う釜山の国民学校に無口なドンスが転校してきた。早速、お調子者のジュンホがちょっかいを出すが、互いの力を見抜いたドンスとジュンソクは決闘をしたふりをして友達になる。ジュンソクの病弱なまま母が死んだ。葬儀屋を営む父親についていったドンスは、ジュンソクの父親がヤクザの親分であることを知ると、自分の母親が男と家を出ていった過去を打ち明け、秘密を共有する。友情は高校でも続いたが…

ソウル大学を目指して学業に励むサンテク、ワルの道に入り込んだ3人、4人は共に釜山 (プサン) 高校の3年生になった。ボクシングで大学に進学する夢を、理不尽な反則負けで砕かれたドンス。父親がヤクザのために、進学をハナから諦めているジュンソク、そして2人に引きずられているジュンホ。時代は、強引に近代化を進めたパク･チョンヒ政権から、悪夢の光州事件を経て、チョン･ドゥファンの軍事政権が権力を掌握する、激動の時代。

恵化 (ヘファ) 女子高校の開校記念学芸会。冷やかしに行った4人は、7人組のバンド「レインボー」のライブを聴く。目ざといジュンホが交渉して、メンバーの3人、ジンスク、ソンエ、ウンジと合同コンパを企画する。こちらはサンテクを除く3人だ。テーブルマナーのうんちくを披露するジュンホ、ワルぶってみせるジュンソクにドンス。そんな男たちに冷ややかな目を向けるジンスクにソンエ。ウンジは国民学校以来の再会で、ドンスに熱を上げる。

当時の高校は、進学するかしないかで教師の対応は極端だった。やる気をなくした学生たちはますます反抗的になり、それは女子高でも同じだった。やがて、グループにサンテクとドヨンが加わり、8人の遊び仲間ができた。サンテクがジンスクに気のあることを知ったジュンソクは、2人の仲を取り持ち、ひそかにジンスクに思いを寄せていたドンスはジュンソクに抗議する。夏が来た。涼を求めて8人は山へ向かう。互いの思いを秘めて…

体力のなさをソンエになじられたジュンホが、男気を見せようと滝つぼに飛び込み、水面に出てこない。驚いたジュンソクとドンスが救出し、ソンエは慌ててジュンホの口に人工呼吸を施す。2人の仲を後押ししようとする男たちのたくらみだ。そんな夏も終わり、授業が始まったが、他校のワルに因縁をつけられたサンテクを救おうとして、ジュンソクとドンスは派手なけんかを繰り広げ、退学処分となる。やがて、残りの仲間たちにも卒業の時が来た。

ささやかな蓄えを増やそうとして詐欺にあった母、密輸が発覚し刑に服した父、ジンスクは自立しようと銀行に就職する。日本から来た叔母に実母の遺骨を持っていかれて悲しみに襲われるジュンソクを優しく抱き締めるジンスク。港で守衛として働き、漁船の船長に勧められ長い航海に旅立つドンスに、手紙用の手帳とハモニカを渡すジンスク。カネを稼いで絵の勉強をしたいという夢をジンスクに打ち明けることもなく、ドンスは港を後にする。