両親の離婚によってアメリカに渡った福永美緒（井上真央）は、ロサンゼルスで通院生活を送っていた。美緒の母・りえ子（夏木マリ）は、病弱だった美緒を療養させるために渡米し、以来、女手ひとつで彼女の面倒を見ていた。ある日、美緒は、担当医師から成功率50％の手術を勧められる。美緒は、それを受ける代わりに、10年前に別れた兄がいる日本に旅行に行きたいと願い出る。美緒の兄・和樹（伊藤英明）は、病弱な美少女だったころの面影もないほど生意気になっていた美緒との再会にショックを受ける。が、和樹もまた、カメラマンを夢見て番場大（竹中直人）に弟子入りしながらも挫折し、現在は、メイクアップアーティスト・進藤一流（劇団ひとり）の家に、スタイリストのアシスタントをしている二階堂勝（阿部サダヲ）とともに転がり込んで怠惰な生活を送っていた。美緒から電話をもらった際、カメラマンの仕事も順調だ、とウソをついてしまった和樹は、美緒がアメリカに帰るまでの間、それを隠し通そうと決意する。そんな折、美緒が発作を起こして病院に運び込まれる。担当医の蓮子（松雪泰子）から、美緒の手術のことを教えられショックを受ける和樹。一方、美緒は、その病院で新人医師の結城秋生（平岡祐太）と知り合う。病院からの帰り道、美緒は、16年前のある出来事を持ち出して、言うことを聞くよう和樹に迫るが・・・。

美緒（井上真央）は、撮影エキストラのアルバイトをすることになった。きっかけは、番場（竹中直人）のアシスタントに復帰した和樹（伊藤英明）が、一流（劇団ひとり）や勝（阿部サダヲ）と、仕事に一番必要なことは何かという議論をしていたときに、美緒が異論を唱えたからだった。美緒は、誰の考え方が正しいか自分が働いて見極める、と言い出し、蓮子（松雪泰子）に許可を貰いに行く。事情を知った蓮子は、美緒の思いを汲んで、検査の結果、異常なければ許可すると答えると、秋生（平岡祐太）にエコー検査を指示した。ところが美緒は、何故か秋生の検査を受けることを拒否する。 美緒が参加することになったのは、とあるレストランでの撮影だった。番場が、新創刊される雑誌のポスター撮影をこの店で行うことになったのだ。エキストラの仕切りを担当する和樹は、美緒をさりげなくモデルの近くの席に座らせると、場の雰囲気を盛り上げようと努めた。ところが美緒は、勝手に料理に手をつけて番場の怒りを買い、追い出されてしまう。するとそこに、営業中だと勘違いした外国人の団体客がやってくる。和樹や一流たちは、事情を話して帰ってもらおうとするが上手くいかなかった。すると美緒は、その団体客の元に歩み寄り、身振り手振りで状況を説明して彼らを納得させる。その度胸の良さを認めた番場は、美緒を再び撮影に参加させるが・・・。

美緒（井上真央）は、秋生（平岡祐太）から、これからは医者らしくけじめを持って接していきたい、と言われたことにショックを受ける。秋生に対する美緒の思いを感じていた和樹（伊藤英明）は、そんな妹のことが心配でたまらない。するとそこに諸畑（蕨野友也）がやってくる。諸畑は、師匠の番場（竹中直人）から写真展のチケットをさばいてくるよう命じられたのだという。和樹は、美緒のことを心配しながらも、諸畑とともに街に写真展のチケットを売りに出かける。残された美緒は、一流（劇団ひとり）、勝（阿部サダヲ）とともに朝食をとった。一流が美緒に心ひかれていることを知る勝は、ふたりでどこかに出かけてくればいい、と言って仕事にでかける。しかし美緒は、約束がある、と嘘をついて出て行ってしまう。行くあてのない美緒が向かった先は、和樹たちのところだった。和樹は、持ち前のノリの良さを活かして、道行く女性に声をかけていた。そんな和樹の姿にうんざりした美緒は、その場を立ち去ろうとした。と、そのとき、美緒は、コージ（大東俊介）という男とぶつかった。コージは、持っていた花束から一輪の花を抜いて美緒に手渡すと、自分が働く飲食店に誘った。こっそり美緒の後をつけていた一流は、その一部始終を目撃してしまう。同じ日の夕刻、秋生は、蓮子（松雪泰子）に相談事を持ちかけ、一緒に食事に出かける。するとそこに、美緒の姿があり・・・。

美緒（井上真央）は、白鷺大学附属病院の病室で一夜を明かす。和樹（伊藤英明）とケンカして家を飛び出した美緒は、蓮子（松雪泰子）に無理を言って病室に泊めてもらったのだ。目を覚ました美緒は、前夜、冗談めかして秋生（平岡祐太）に自分の気持ちを告白してしまったことを後悔する。美緒は、病室にやってきた秋生に、好きだといったのは芝居だ、と念を押した。すると秋生は、美緒が本当の気持ちを言ってくれたのだから、自分も本当の気持ちを答えたい、と真面目な顔で返す。美緒は、その場の雰囲気に耐え切れず、秋生の言葉を聞く前に病室を飛び出してしまう。同じころ、和樹、一流（劇団ひとり）、勝（阿部サダヲ）の3人は、首都圏に接近している台風に備えようとしていた。その際、一流から冷蔵庫の中身を整理するよう命じられた勝は、賞味期限切れと思われるチョコレートのケースを発見し、ゴミとして処分する。が、そのケースの中身は、美緒のニトロだった。和樹がゴミを捨てに行こうとすると、ちょうどそこに美緒が戻ってくる。和樹や美緒たちは、一流の指揮の下、台風に備えて家の中を点検する。そんななか、美緒は、いつも首から下げているニトロケースがないことに気付く。そこで初めて予備のニトロを捨ててしまったことに気づき、青ざめる和樹たち。秋生からの電話で、美緒が病院にニトロケースを忘れていったことを知った和樹は、暴風雨の中、病院に向かうが・・・。