丘の上の向日葵

柚原孝平(小林薫)は､大手フィルム会社に勤める45歳のエンジニア｡妻･智子(竹下景子)と高校生の娘･信江(葉月里緒菜)に囲まれて､地味だが堅実な生活を営んでいる｡ ある日孝平は､駅で気分の悪くなった女性･矢部芙美(島田陽子)に手を貸した｡家の前まで送り届け､すぐ帰ろうとする孝平だったが･･･｡

芙美(島田陽子)に突然､｢あなたの子供を産んだ｣と言われた孝平(小林薫)は､職場や家でもうわの空｡そんな中､孝平は､芙美の家の前で車イスに乗った青年･矢部肇(筒井道隆)を見かける｡一方､孝平の同僚･東郷周三郎(大地康雄)がスランプに陥る｡孝平は彼の妻･奈津(高畑淳子)に頼まれ東郷と飲みに行くが･･･｡

日曜日｡孝平(小林薫)の足は芙美(島田陽子)の家へ向いていた｡素知らぬふりで彼女の家の前を通り過ぎたあと､孝平に気づいた芙美が追いかけて来た｡不器用な言い訳をしつつ､孝平は彼女と神社の境内へ｡そこで芙美は､結婚しない人生を考え､行きずりの孝平の子供を産んだこと､肇(筒井道隆)が交通事故で下半身不随になったことなどを語り･･･｡

孝平(小林薫)は､芙美(島田陽子)に｢肇(筒井道隆)の話し相手になってほしい｣と言われ､芙美の家に足を運ぶように｡一方､東郷(大地康雄)は､新規取引を狙っていた印刷会社社長の急死を知り､葬儀の裏方を務める｡そんな中､芙美は｢孝平のような良い人を色気で利用するな｣と肇に言われ､口喧嘩になる｡そしてついに､孝平が肇の父親であることを話してしまう｡

肇(筒井道隆)は､自分の父親が孝平(小林薫)だと知り､動揺する｡しかし､孝平が19年前のことを事実として認めていることを知り､戸惑いながらも明るさを取り戻す｡数日後､芙美(島田陽子)の家へ向かう孝平の姿を孝平の娘･信江(葉月里緒菜)が目撃してしまう｡一方､孝平の留守中､柚原家に蓮谷(野村宏伸)が来訪｡蓮谷は婚約者との不仲を訴え､智子(竹下景子)に抱きつき･･･｡

信江(葉月里緒菜)は肇(筒井道隆)に恋心を寄せていた｡信江は｢新しいボーイフレンドが出来た｣と智子(竹下景子)に話す｡それを聞いた孝平(小林薫)は肇のことだと悟り､肇に｢お前の妹かもしれないのだから｣と釘をさし､信江にはあまり会うなと忠告｡しかし､それでも肇と信江が会っていることを知った孝平は､信江に自分と芙美(島田陽子)との関係を話してしまう｡