商家の娘である何惟芳（かいほう）は、代々官職に就いてきた名門の劉暢（りゅうちょう）に嫁ぐ。だが劉暢は、想い人がいながら婚姻を無理強いされたことで、何惟芳を恨んでいた。また義父母も、何（か）家の財産を目当てに婚姻を申し込んだに過ぎず、何かにつけて何惟芳に難癖をつける。侍女の玉露（ぎょくろ）以外には誰も味方がいない中、何惟芳は慎み深く婚家に仕える。

寧（ねい）王の娘・吉安（きつあん）県主の幼貞（ゆうてい）が花鳥使（かちょうし）の蒋長揚（しょうちょうよう）を伴って劉（りゅう）家を訪れる。何惟芳（かいほう）は庭の牡丹を手折ろうとする幼貞を見て、母の形見であるその牡丹を自身をおとしめてまで守る。劉暢（りゅうちょう）に今も想いを寄せる幼貞は、劉暢の妻である何惟芳を故意に苦しめる。そしてうたげが始まった途端、蒋長揚が刺客に命を狙われる。

刺客騒動は劉（りゅう）家の失態だとして吉安（きつあん）県主は厳罰を言い渡すが、処罰はわが家の問題だと劉暢（りゅうちょう）は県主の干渉を突っぱねる。一方、何惟芳（かいほう）は金策に窮した婚家によって持参した店が売られることを案じ、急遽、店に向かう。それを知った劉申（りゅうしん）は慌てて後を追い何惟芳を引き止めようとするが、彼らともみ合っていた玉露（ぎょくろ）が橋から落ちてしまい……。

洛陽中の貴人が集ううたげで、何惟芳（かいほう）は穿魚（せんぎょ）が身に着けていた玉佩を使い、劉申（りゅうしん）の面目を失わせることに成功する。だが貴人にとって使用人は駒にすぎないと改めて感じ、己の無力さを痛感するのだった。そんな姿を見て、蒋長揚（しょうちょうよう）はできるだけのことはしたと励ます。うたげも盛り上がる中、吉安（きつあん）県主は劉暢（りゅうちょう）をあずまやへ誘い出し、復縁を迫る。