高村泰雄は父の顔を知らず、母もすでにこの世にいません。記憶を閉ざしていた泰雄は、母の十七回忌に見つけた一枚のはがきを手がかりに、恋人とともに過去を探す旅に出ます。母と暮らした幼い日々を思い出すと、なぜか“火の記憶”がよみがえり、母のそばには一人の男が寄り添っていました。それは父ではなかったのです。封印していた過去の扉を開き、事実が明らかになるにつれて、泰雄の心はしだいに解き放たれていくのでした。[FICT](C)NHK