契約主夫殿オ・ジャクトゥ

フリーランスの敏腕プロデューサーであるハン・スンジュは、実績が認められ正社員としてテレビ局への入社が目前だ。手がけた番組は高視聴率をとり、その仕事ぶりは破竹の勢いだったが、35歳独身で１人暮らしをする女性に社会は何かと冷たい。そんなスンジュに周囲の人々は結婚を勧めるが、仕事と結婚したと言い切るスンジュ。どんな仕事も拒まず休みなしで働いてきたスンジュがようやく余暇を楽しもうとしていたところ、思いがけない仕事が入る。

スンジュの弟スンテは、スンジュが叔母から遺産相続した山にリゾート開発を計画するが、その山には一軒の家が建っていた。家の住人は、人間国宝の祖父から伝統を受け継ぐ楽器職人のオ・ジャクトゥで、スンジュが出演依頼のため探している人物だった。立ち退き拒否をするジャクトゥは、地主のスンジュに会うためソウルへ出向く。スンジュは自宅前で何者かに襲われたところをジャクトゥに助けられるが、その恩人が探している職人とは知らず・・・。

互いの利害が一致し、契約結婚に至ったスンジュとジャクトゥ。スンジュが結婚写真付きの報告メールを送ると、受け取った友人たちは大騒ぎ。そして、スンジュとジャクトゥは2人での生活を始めるためにスンジュの自宅へと向かう。その移動中、ジャクトゥはバスの中からカヤグムの演奏家チャン・ウンジョの広告を見つけて、ひどく驚く。その夜、外では夫婦、家では他人でいようと約束した2人は別室で寝るが、価値観の違いから口げんかになる。

スンジュが通院している病院から呼び出されたジャクトゥは、主治医からスンジュの病気について説明を受ける。その頃、運転中のスンジュは後ろから来た車にあおられて腹を立てるが、運転している男の顔を見ると驚き、再びパニック症状が出てしまう。そんなスンジュのもとに暴行事件の担当刑事から電話が入る。警察署で犯人と対面したスンジュは、刑事からスンジュの自宅で起こった殺人事件との関連性について聞かされるが・・・。

ジャクトゥの住んでいた村を訪問したスンジュは、村の人たちから「お嫁さん」として扱われ戸惑う。ソウルに戻ったジャクトゥは自宅前で待っていたウンジョと、15年ぶりに再会する。一方のスンジュはウンジョの番組制作から降りようとするが、スポンサーである楽器製作会社の社長エリックの指名により続投が決まる。そしてスンジュの留守中、自宅に殺人事件と関わりを持つ男が再び侵入する。その男に気づいたジャクトゥが後を追うが・・・。

殺人事件の犯人が特定されたため、すっかり安心したスンジュは、役割を果たしたジャクトゥに村へ帰っていいと言う。しかし、同情心から村へは帰らないと言うジャクトゥ。スンジュは同情による結婚だと言われたことに傷つき、またもや口げんかとなってしまう。そんな状況の中、ジャクトゥのもとへウンジョからの電話が入る。ウンジョは「チョ・チス」という名前を出し、彼に見つかる前にスンジュの家を出るように告げる。