神林恵 (貫地谷しほり) の職業はフリーライター。彼氏いない歴五年で、三十歳の誕生日を控え、そろそろ結婚に焦りを感じ始めている。恵はある日、懇意にしている編集者・伏見裕子 (安藤玉恵) から、ウェブサイトでの連載を持ちかけられる。それは、応募者の独身男性が提案する店で、「食事をしながら口説かれよう!」という新企画。ギャラの大半を外食 (しかもひとり飯) につぎ込み、飲食店に関する膨大な知識量を持つ恵は、「タダで美味い飯が食える!」と、これを快諾。こうして「『女くどき飯』~私をゴハンに連れてって~」という見出しの下、相手男性の募集が始まる。初回のお店は、極上ワインとドライエイジングビーフのグリルが楽しめる銀座の高級レストラン。現れたのは、大手広告代理店勤務のデキる営業マン・藤崎修司 (福士誠治) だった。
独身男性が提案する「女を口説ける」店でのやり取りを、ウェブサイト内で連載し始めた恵 (貫地谷しほり)。お店の紹介と恋愛コラム風の内容に初回の評判も上々の中、次の応募者データが届いた。今回の応募者は「起業準備中」という肩書を持つ須藤豪太 (加治将樹)。彼が選んだお店は、ヒマラヤ鍋が名物の、恵比寿のネパール料理屋。自分の会社を立ち上げる夢を語る豪太だったが、名言集や自己啓発本を乱読し、ツイッターでは名言BOTをフォローする日々だ。見た目も中身も大味で熱い男…美味しい食事に舌鼓を打ちながら、呆れ返る恵だったが…。
連載企画『女くどき飯』の今回の男性応募者は、オシャレで今風なリア充年下イケメン大学生、多野坂悠 (碓井将大)、20歳。将来、ファッション誌のエディターを目指す悠は、控えめではあるものの、そのオシャレなビジュアルと雰囲気からリア充オーラがダダ漏れしている。そんな悠が恵 (貫地谷しほり) とのご飯デートの場として選んだのは、燻製料理が楽しめる、中目黒のお店。会話を重ねるうちに、恵は悠の年下特有の素直さと可愛さ、甘え上手&褒め上手な魅力にハマっていく。
今回の男性応募者は、都内で歯科医院を経営する開業歯科医・桜田幸之助 (伊嵜充則)。ごく「普通」なアラフォー男性の登場に、恵 (貫地谷しほり) のテンションも下がり気味だが、開業歯科医という肩書のせいか、女性遍歴は華やかなこと、この上ない。選んだお店は、六本木の寿司割烹。「連載記事を見て筆者に興味を持った」というのが応募の動機だが、のっけから「食事をしながら口説かれる」という企画のコンセプトを完全に無視し、恵を翻弄する。
フリーライター・神林恵(貫地谷しほり)は、編集者・伏見裕子(安藤玉恵)の期待に応え、連載企画『女くどき飯』を続けている。今回、応募してきたのは、見た目は今風チョイ悪オヤジの、陽気でフレンドリーなおじさん・細貝崇彦(升毅)だ。現在は都内でいくつかの会社を経営する彼が選んだのは、麻布十番の絶品中華料理。世間が忘れ去ったようなバブル語をバッキバキに使いこなし、その古さが逆に新しい。「お父さんと同い年のバブルおじさん」と見くびる恵を、若い男にはない男気と包容力で、次第に魅了していく。
今回の応募者は、神林恵(貫地谷しほり)とは同い年、「アパレルブランド・ディレクター」の肩書きを持つ男性・甲斐壮馬(桐山漣)。渋谷のオイスターバーに現れた壮馬は、ラフで堂々とした立ち居振る舞いや、ナチュラル過ぎる女たらしっぷりから、これまで幾多の女性を夢中にさせて来た「魔性の男」であることが見て取れる。時にさりげなく、時に強引に、まるで息をするように女を口説く、口説きの「どプロ」に、警戒を解かない恵だったが。