年上ノ彼女

大学2年生の伊藤努は所属する“児童文化研究会”の新入生歓迎会で、色白で黒髪の美少女・小山内揚羽(アゲハ)と出会う。小柄であどけない容姿の彼女は、実は25歳で年上の新入生。努は、幼少期の“あるイメージ”がトラウマとなり、生身の女性に恐怖感を抱いていたが、そんな努の夢に出てくる謎の美少女とアゲハは瓜二つだった。努の様子が気になるアゲハは酔った勢いもあり大人の魅力で努に迫るが、その同時刻、なんと努のアパートは火事で全焼、サークルの面々のおせっかいもあり、二人は晴れて？同棲生活を始める。

同棲生活を始めてはみたものの、やはり生身の女には反応できない努に対し、自分には魅力がないのかと迫るアゲハ。努の“事情”を知り、少しづつ距離を縮めていこうと確認する二人。そんな二人の姿に、かつて“勃たない”努をなじってしまった“児研”メンバーの森野は心穏やかではなかった。サークル恒例の合宿が始まり、夏を楽しむ会員たち。女性の魅力とは何か？に悩む森野だったがアゲハや先輩・浅井の後押しもあり努に気持ちをぶつける。夏の夜を彩る美しい花火の光の中、ふとアゲハは一人、貌顔を曇らせる……

努は、森野が渡してくれた地図を頼りにアゲハの居る街の駅へと降り立った。老婦人の住む旧家・清水家にアゲハがいることを突止める努だったが、敵意むき出しの家政婦・薫にけんもほろろに追い返されてしまう。恋に恋する女子高生・綾香とその兄で警察官の北川の協力で、アゲハの持つ秘密にたどりつく努。彼女への想いを胸に努は、アゲハと直接会うべく屋敷に忍び込むことを決意する。

互いの愛を確認し合い帰京したアゲハと努は、新しい季節と共に同棲生活を再スタートさせた。新学期のある日、二人は“児研”の早矢仕会長に編集者の佐山を紹介される。彼女の元、アゲハは雑誌モデル、努は編集のバイトをすることになったが、慣れない生活と居候の綾香の同居により心も体もすれ違い状態に。そんな中、アゲハの前に亡き夫を想起させる年上の男・佐田が現れる。

別れを口にしたアゲハに対し、気持ちとは裏腹な態度をとってしまう努。そんな努に、佐山は大人の女の魅力で迫る。一方、アゲハは忙しいバイト生活と心労により倒れてしまう。アゲハの元に駆けつける“児研”の仲間と努だったが、そこにはアゲハを介抱する佐田の姿が。アゲハの状態にも気付けず、佐田にも言い返せない努は一人、二人が同棲生活を送る家を後にしてしまう―