恋人に二股をかけられ傷心状態のまま、札幌へ転勤したOL・千春。ある夜、千春は路地裏の小さな弁当屋「くま弁」で、ミステリアスな料理人・ユウと出会う。ユウはなぜか千春の注文とは異なる“鮭かま弁当”を作り...。

千春の心を解かしたユウの料理は評判を呼び、悩めるお客が訪れるようになる。上京するアイドル・白鳥あまねが注文したのは、家族思い出の“甘納豆のお赤飯”。千春とユウはあまねの内なる願いを叶えるべく奔走する。

霊感を失ったという人気占い師・カタリナを連れて、千春が「くま弁」を訪れる。ユウへの注文は、20年前に旧友が作ってくれた“ホッケフライ”。カタリナの思い出の味を再現しようとする千春とユウだが...。

「くま弁」の店主・熊野が倒れ、店は閉店の危機に。時を同じくして、ユウの叔父・正幸がやってきて、ユウを東京のレストランに連れ戻すという。居ても立ってもいられない千春は、店の存続に向けて動きだす。

すっかり千春の居場所となった「くま弁」には、ユウの作る“魔法のお弁当”を求めてまたお客が訪れる。ユウの昔馴染みで若手経営者・将平が来店し、“人生最後の飯でもいいってくらいのお弁当”を注文するが...。

内なる願いを叶える弁当屋「くま弁」に、常連客の高校教師・三輪が元教え子・若菜を連れてやってきた。複雑な家庭環境で育った若菜は、日頃からまともな食事を取っていなかった。見かねた千春とユウが寄り添うが...。