夏の一番暑い日。大好きな彼女と僕の暮らしが始まった。僕は彼女の猫だ。彼女は、短大の卒業を控え、就職活動に悩む毎日を送っていた・・・僕は、彼女の帰りを毎日待つ。

ものすごい夕焼けの日。僕はまだ幼い彼女と出会い、僕は彼女の猫になった。言葉は分からなくても心の通じ合う、彼女と僕。お互い幼かった日々のことを想い出す。

影が長くなった。僕の毛皮が役立つ季節だ。僕は前よりも長く、深く眠るようになっていた。大好きな彼女、そして彼女の親友のことや母親のことに想いをはせる僕。

明るい時間は短くなり、いてつく寒さが世界を覆っていた。何もかもうまくいかない彼女は、外の世界へ踏み出せなくなっていた・・・僕にはもう、時間がない。それでも僕は彼女の力になりたい。

完全版: 都会で一人暮らしをする彼女と、彼女に拾われた一匹の猫の日常を描いた物語です。猫の視点から、自分の感情を言葉にするのが苦手な彼女の不器用な日々が淡々と語られます。ある日、彼からメッセージが届くなど、彼女と猫の穏やかな日常が描かれます。