舞妓たちが共同生活をする屋形でキヨはまかないとして働いている。キヨは幼なじみのすみれが舞妓の付き人をしている様子を街で見かける。台所に現れたすみれは舞妓になるため毎日頑張っていると語るのだった。その夜、舞妓デビューが決まったすみれは大喜びでキヨに報告するが…。
屋形のおかあさんと踊りのお師匠さんは、舞妓デビューするすみれについて話をしていた。その場に居合わせたキヨは、すみれが百年に一人の逸材かもしれないと言われてうれしそうに目を輝かせる。一方、すみれは食事を後回しにして稽古を続けようとして先輩舞妓から心配されていた…。
花街で働く男衆 (おとこし) のおにいさんは毎日稽古を頑張るすみれに期待していた。一方、おかあさんはすみれがやせてきたことを心配していた。キヨはすみれのために精のつく料理を考えるが、すれ違う日々が続いて食べてもらえない。そこでキヨはすみれが食べたくなる秘策のごはんを作ることにした。
初めて髪を結い上げることになったすみれは、舞妓たちから髪を結った初日は眠れないと聞かされる。舞妓は寝ている間に髷 (まげ) が崩れないように特別な枕を使うからだ。その夜、すみれは慣れない枕に悪戦苦闘する。どうしても眠れなくて夜中に台所へ行くと、そこではキヨが待っていて…。
デビューが決まった舞妓にはお座敷で名乗る名前がつけられる。すみれの舞妓としての名前が「百 (もも) はな」に決まり、キヨは小学生の頃にすみれと名前について話したことを思い出す。その後もキヨはつい「すーちゃん」と呼んでしまい、「百はな」と呼ぶように注意されるが…。
京都に雪が積もり、キヨは朝早くから一人で屋形の玄関先で雪かきをしていた。雪かきの音で目を覚ましたすみれはキヨを手伝おうとするが、スコップがなくてあきらめる。雪かきを眺めていたすみれは、キヨの後ろ姿を見ているうちに故郷の青森にいるような錯覚を覚え始める…。