天保太夫一座の座長・泣き節お艶は出雲のお艶と名を変え、一座の名も「出雲太夫一座」と変えて、江戸で小屋仕掛けの芸人一座を続けていた。だが、ひょんなことから名絵師・葛飾北斎が描く連作風景画「富嶽百景」に描き込まれた恨みを晴らすための旅に出る。©松竹・ABC
エピソード1
第1回 江戸日本橋
お艶(山田五十鈴)率いる安来節の一座は、天にかわってのさばる悪人どもを仕置する殺し旅に出ることになった。今回の依頼人は浮世絵の版元の西村永寿堂(岡田英次)。殺す相手を捜す手がかりは葛飾北斎(小沢栄太郎)の描く富嶽百景。絵を火にかざすと一か所が朱に染まるというからくりだ。かくてお艶、宇蔵(芦屋雁之助)うさぎ(高橋洋子)、鈴平(江戸家小猫)、そして永寿堂さし回しの唐十郎(沖雅也)は、初の仕事に手をつける--。©松竹・ABC
エピソード2
第2回 隠田の水車
江戸はずれの隠田村にやってきたお艶(山田五十鈴)らが北斎の絵を火にかざすと、小さな亀が朱に染まった。今度の殺しは“亀”に係わりがあるらしい。一方、隠田村に続々と富裕な甲州商人が集まってきた。実は彼らは、寺で行われる亀を使っての女遊びが目的でやってきたのだ。そして代官の小島(外山高士)ら悪人は、村の娘・おたね(早川絵美)を誘拐して遊びに差し出していた--。©松竹・ABC
エピソード3
第3回 駿州片倉茶園ノ不二
将軍家御飲用の新茶を運ぶ“お茶壺道中”をとりしきるお数寄屋坊主頭の干阿弥(大木実)は、貧乏な小島藩に、自分の口ききで藩の茶を将軍家御飲用にしてやるともちかけていた。が、小島藩では三年来、千阿弥にばく大な金品をつぎこんでいたが、いっこうにその動きはなく、家老の土井玄蕃(堀雄二)は頭を痛めていた。お艶(山田五十鈴)らの調べでは、千阿弥はたいへんな悪党だった--。©松竹・ABC
エピソード4
第4回 神奈川沖浪裏
初鰹を江戸に運ぶ途中の鎌倉七里ヶ浜の網元・魚辰の漁師三人が殺され、鰹は路上に放り出された。魚辰の連中は商売相手の魚甚のしわざといきりたつが、お艶(山田五十鈴)らは、魚辰の商売の邪魔をして、大もうけを企む奴が他にいるとにらむ。唐十郎(沖雅也)はそれが江戸の上総屋(御木本伸介)とつきとめたが、上総屋はかつて自分の恋人を寝とった男だった………。©松竹・ABC
エピソード5
第5回 本所立川
本所立川のおいてけ堀にカッパが出るというウワサ。実はこのカッパの正体は、老盗賊の隼の俊次(花沢徳衛)と一緒に暮らすみなし子の子供達だった。彼らは田舎でまともに暮らしたいとカッパの真似をして両替屋から千両を巻きあげるが、悪旗本の神尾(青木義朗)は俊次を殺し、子供達の金を奪う。これを知ったお艶(山田五十鈴)らは--。©松竹・ABC
エピソード6
第6回 下目黒
今度の殺しは下目黒の鷹匠が手がかりだ。下目黒村に入ったお艶(山田五十鈴)一行は、お狩場で将軍家の鷹を馴らすお鷹組組頭の前田伊三郎(亀石征一郎)らの悪行をみた。前田らは権力をふりまわし、庄屋(村田吉次郎)に無理難題をもちかけ、そのうえ自分らの屋敷に奉公させるとだまして村の娘達を女郎に売りとばしていた。©松竹・ABC