町はずれの病院を舞台に、霊的能力を持つナースの周りで次々と起こる怪奇現象を描くTVドラマ。お化け屋敷プロデューサー・五味弘文とJホラー先駆者の鶴田法男がタッグを組み、ドラマ、お化け屋敷、小説、動画配信と一大ホラープロジェクトを展開する。
エピソード1
霊の蠢く病院
森に囲まれた、町はずれの隈川病院。ナースの尾神琉奈(夏帆)は、2週間前から研修医の隈川朝陽(大和田健介)や厳しい主任ナースの木藤純子(森脇英理子)とともに働いていた。消灯後のある夜、琉奈の後輩ナース・鈴木彩香(川上ジュリア)は、暗い廊下で血だらけのセーラー服の女の子と出会うが、すぐに消えてしまうという体験をする。 翌日、琉奈の親友で、映像制作会社に勤める坂井愛美(高田里穂)が琉奈を訪ねる。幼い頃から霊感が強かった琉奈は中学時代、通学途中で事故死した同級生の血まみれの霊を見たことがあった。そんな琉奈を気味悪がる同級生の中で、ただひとり友達でいてくれたのが愛美だった。 病院ではその後も患者から「幽霊を見た」という話が聞こえてきた。そんなある夜、備品を取りに、琉奈は閉鎖されている旧病棟へと向かう。
エピソード2
あの世からの囁き
閉鎖されている旧病棟の1階で、「ルナ」というか細い女の声に琉奈(夏帆)はどこからともなく呼びかけられる。取り憑かれたように階段を上ると、最上階の廊下の突き当たりの壁から声は聞こえてきた。壁を前に琉奈が戸惑っていると不意に目の前に扉が現れ、やせ細った女の手が這い出てきた。慌てて琉奈は旧病棟の外に飛び出す。 一夜明け、「旧病棟ではなにもなかった」と平然を装って出勤した琉奈。その様子を見た朝陽(大和田健介)は、最近病棟で起こっている不可解な出来事を父である院長の隈川圭太(春田純一)に報告する。さらに、子供の頃からずっと疑問に思っていた、なぜ旧病棟の最上階に行ってはいけないのかを尋ねるのだが、圭太は「気にするな」の一点張りだった。 その夜、琉奈をなぜか避けていた患者、石川勲(高橋長英)の容態が急変する。
エピソード3
地を這う心霊写真
石川勲(高橋長英)の容態が急変する2週間前。石川の撮った写真を見ながら談笑していた石川と彩香(川上ジュリア)は、1枚の写真に目を留める。一人で写る彩香の背後に、ぼんやりとした煙のようなものが写っていたのだ。 その後、石川は置きっぱなしにしていた例の彩香の写真のさらなる異変に気付く。ぼんやりと写っていた煙のようなものが琉奈(夏帆)の顔に変化していたのだ。ゾッとする石川は写真を何度も捨てるが、なぜかそのたびに手元に戻ってきた。それから石川は怯えるように琉奈を避けた。 愛美(高田里穂)の上司のディレクター・斑目和也(鈴木一真)は、かつてお化け屋敷と呼ばれていた隈川病院について調べるため、石川のもとを訪ねる。元カメラマンの石川は、数年前自身が撮影した旧病棟の心霊写真が原因で仕事を失くしていた。 その日の夜、石川は容態が急変し、帰らぬ人となる。
エピソード4
禍を呼ぶ女
琉奈(夏帆)は、度重なる心霊体験を思い出し、仕事に身が入らない。ミスを連発し、主任ナースの純子(森脇英理子)からは怒られっぱなしだった。さらに、患者からも、琉奈を担当から外してほしいとさえ言われてしまう。 石川(高橋長英)の遺品を片付けていた純子と彩香(川上ジュリア)は、彩香の背後にぼんやりと琉奈の顔が写っている写真を見つける。今まで病院内で噂された怪奇現象に聞く耳を持たなかった純子も奇妙な体験をしたことをきっかけに、「幽霊を見た」と言う患者の一人である韓国からの留学生・テヒ(Lizzy)に詳しく話を聞く。 夜勤前、琉奈は愛美(高田里穂)から最近変なメールが入ることを電話で打ち明けられる。差出人は「さえこ」。愛美は中学時代に事故で亡くなった楠山冴子しか思い当たらないと言い、電話を切る。その数時間後、琉奈が出勤してすぐに愛美が救急車で運び込まれてくる。
エピソード5
纏わりつく幽鬼
斑目(鈴木一真)と愛美は、隅川病院の怪奇現象の裏付けを取ろうと躍起になっていた。そこに彩香(川上ジュリア)からインタビューに応えると連絡が入る。彩香は琉奈(夏帆)が来てから病院内で不可解なことが起きていると打ち明ける。 その夜、彩香のインタビュー映像をパソコンで何度も再生する愛美は、彩香の肩越しの窓外に映るモヤのようなものに気付く。その時、また「さえこ」から謎のメールが入る。愛美は気味が悪くなり身支度を整えて帰ろうとするが、パソコンの電源スイッチが切れず、勝手に映像が再生され戸惑う。再度画面を見た愛美は、彩香の肩越しに映るモヤが琉奈の顔だと認識し、慌ててオフィスを飛び出す。怯えながらエレベーターを待つ愛美にメールが入る。差出人は「さえこ」だった。
エピソード6
呻く心霊動画
愛美(高田里穂)が会社のビルの5階から転落して亡くなった。悲嘆に暮れる琉奈(夏帆)は「私のせいだ」と自分を責める。朝陽(大和田健介)はそんな琉奈を心配そうに見守っていた。 一方、病院内ではさらなる怪奇現象が起こり、彩香(川上ジュリア)の言葉通り、琉奈が元凶ではないかと誰もが疑い始めていた。 斑目(鈴木一真)は、愛美の死の真相を探るため、朝陽を呼び出し、インタビューに応じる彩香の肩越しに映る琉奈の映像を見せる。琉奈への疑いを晴らす方法として、朝陽は琉奈にこの映像に向き合うようにと訴える。初めのうちは映像を見ることを拒否していた琉奈だが、朝陽の力強い説得で映像と対峙することを決意する。