悪魔の手毬歌
岡山県の鬼首村を訪れた金田一耕助は滞在先の亀の湯で知り合った多々良放庵から20年前にこの村で殺人事件があったことを聞かされる。被害者は亀の湯の女将・青池リカの夫・源治郎で、加害者は詐欺師の恩田幾三と断定されたが、事件後行方不明のままであった。やがて金田一は、放庵の元妻・栗林りんを名乗る老婆と峠で行き交うが、その後、放庵は謎の失踪を遂げてしまう。そして村では凄惨な連続殺人事件が始まるのだった。村の二大勢力である由良家と仁礼家の娘が、相次いで殺された。調査に乗り出した金田一耕助は、いずれの事件も村に古くから伝わる手毬唄に見立てられた殺人であることを知る。やがて二人の被害者と20年前の青池源治郎を殺害して逃亡したとされる詐欺師の恩田幾三との意外な関係が明るみとなる。栗林りんと名乗る謎の老婆と、失踪した放に疑惑が集中する中、またもや新たな犠牲者が・・・・・・。