宿屋の末娘・星華は、妖怪におびえる町人たちが話していた三蔵法師の噂を耳にし、憧れを抱く。一方、当の三蔵一行は、なぜか素性を隠したいでたちで宿屋を訪れる。それを見た星華は妖怪なのではないかと誤解するが、実は彼らこそが三蔵一行だと知る。一気に歓迎ムードで盛り上がる町人たちに、冷たく背を向ける三蔵。直後、魔天経文を狙った多数の妖怪たちが町を取り囲む。
李厘を先陣に魔天経文を奪いに来た紅孩児一行。宿敵の久しぶりの登場に三蔵たちは応戦するが、同じく三蔵の経文を狙った妖怪・虫使によって操られた村人たちが三蔵たちに襲い掛かる。村人相手に本気を出せない状況に追い打ちをかけるように、李厘までもが操られ一同に迫る。
宿屋で突如何者かに襲撃され、銃撃戦となる三蔵。三蔵はその戦いに奇妙な違和感を覚え、いつになく苦戦する。目の前で自分に銃を突きつけるその相手は、紫色の瞳に金髪の僧侶、玄奘三蔵その人だった!時同じくして、町に買い出しに来た悟空、悟浄、八戒の目の前に現れたのも、やはり瓜二つな三人だった。
ある村にただ一人残った妖怪・藍巴は、負の波動によって自らが凶暴化しそうな恐怖に日々怯えていた。藍巴は幼馴染みの鈴蘭の誕生日に彼女の絵をプレゼントとするという約束を守るため、必死にキャンパスに向かう。そんな藍巴のもとを医者を装ったニー・ジェンイーが訪れる。藍巴はニーから処方された暴走を防ぐという薬を頼みの綱として服用するが、次第に自我を保てなくなってしまう。
三蔵一行に声をかけてきた女妖怪・睡歌。警戒する三蔵たちだったが、村人たちは睡歌をかばうのだった。村の歓迎を受け、睡歌の館でその歌声を耳きながら床につく三蔵たち。それぞれ過去を思い出し苦しむが、そんな彼らに睡歌は優しく囁く。「大丈夫、ゆっくり眠りなさい…」声を聞いた一行は安らかな眠りにつく。ただひとり、悟空を除いて…。
紅孩児の協力によって村の結界は破られ、悟空は三蔵を取り戻すため睡歌の館に向かう。たどり着いた館で悟空は繭(まゆ)にくるまれた幼い三蔵が眠っているのを見つける。それは睡歌によって抜き取られた三蔵の過去の辛い記憶だった。「こんなもの!」と言って悟空が思い切り繭をむし取ると、幼い三蔵は絶叫とともに消えてしまう。呆然としている悟空を、突如睡歌の糸が襲う。
関俊彦
声の出演
保志総一朗
平田広明
石田彰
草尾毅