無痛~診える眼~
原作小説は、現代の医療制度の矛盾を突きながら、責任能力の有無によって心神喪失者・心神耗弱者の罪を、罰しない、あるいは軽減することを定めた刑法39条の是非をも問う社会派ミステリー。主人公の為頼英介(ためより・えいすけ)は、一見うだつの上がらない中年の開業医だが、実は医師として驚くべき能力を持っている。人間を外側から見て、医学的徴候の診断だけで、その人間の健康状態や病気の進行状況を読み取ることができるのだ。ある事件をきっかけに警察に協力するようになった為頼は、天才的な観察眼と経験の蓄積によって事件を解決に導く、いわば医者版探偵とも言える人物だ。今回の連続ドラマ化にあたっては、原作の魅力はそのままに、ドラマオリジナルのストーリーで、1話完結の事件解決物語を描き出していく。 超高齢社会に突入し、ますます医療のあり方が問われる現代。現役医師の原作者が提起する、高い問題意識に根ざした異色の医療ドラマと、ハードなサスペンス要素を融合させスリリングな展開を見せる、連続ドラマ『無痛~診える眼~』に、ぜひご期待いただきたい。