武士というものがまだ存在していた江戸の世──。百人斬りと呼ばれた【不死身】の男がいた。その男の名は「万次」。万次は、父母を殺され復讐を誓う少女「凜」と出会う。凜は万次に、復讐の旅の用心棒になってくれないかと言う。初めは断る万次だが、凜に亡くした妹の面影を見た。一人では危うい凜の姿に、仕方なく手を貸すことに決める。しかし凜の仇は、剣の道を極めんとする集団──逸刀流。それは、不死身の万次すら追いつめる凄絶な死闘の始まりを意味していた。
エピソード1
遭逢─そうほう─
江戸時代──。町道場の娘、凜は殺された父母の仇を討つため旅に出た。旅の用心棒として選んだのは、百人斬りの異名を持つ不死身の男、万次。狙うは憎き男、逸刀流統主・天津影久。無限の時を生きる男と復讐に生きることを決めた少女の旅が、ここに幕開く。
エピソード2
開闢─かいびゃく─
凜は父の友人であった絵師・宗理の元へ復讐の旅に出ることを告げる。宗理は力になれない代わりにと、資金を提供した。 懐は潤ったものの手がかりがない凜は、寄った研ぎ屋で盗られたはずの父の剣を見つける。しかしその持ち主は逸刀流の剣士「凶戴斗」で──。
エピソード3
夢弾─ゆめびき─
凜を待つ万次の元へ、一人の夜鷹がやってくる。誘いに乗った万次は夜鷹の罠を見破るが、逸刀流の剣士を名乗る女「乙橘槇絵」は逸刀流とは思えない弱さだった。だが生かして逃した槇絵はその目と髪を変えて、再び万次の前に現れるのだった──。
エピソード4
斜凜─しゃりん─
自分も強くなりたいと万次に稽古をつけてもらう凜だったが、その実力は逸刀流どころか万次にすら遠く及ばなかった。 落ち込む凜は音に誘われ、一人稽古している男を見つける。いつかは自分もあんな風に──そう思う凜は、男の顔を見て驚愕する。それは仇である逸刀流の統主、天津影久だった──。
エピソード5
蟲の唄─むしのうた─
影久と邂逅し、自身の足元を揺らがされた凜。思い詰めた様子の凜とそれを見守る万次の前に、虚無僧が現れる。 虚無僧は逸刀流「閑馬永空」を名乗り、万次と斬り結ぶがあっさりと殺されてしまう。しかし確かに死んだはずの閑馬は再び立ち上がり、その傷が再生していく。──閑馬は万次と同じく、「不死」の身体を持つ者だった。
エピソード6
羽根─はね─
祭りを見に来ていた凜は、生意気な少年練造と出会う。万次は面屋、新夜と剣呑な雰囲気になるが、新夜の息子である練造が来たことで互いの殺気が解ける。去っていく新夜と練造。それを万次の背後で見ていた凜は、なぜか新夜の姿を驚愕と憎しみの目で睨み続けるのだった。
津田健次郎
佐倉綾音
佐々木望
鈴木達央
花輪英司
咲野俊介
桑島法子
ふくまつ進紗
浜崎博嗣
木下哲哉
五十嵐秀幸