横浜にある女子大に通う唯美 (三倉茉奈) は、夜ごと同じ悪夢を見てはうなされていた。その悪夢とは、唯美が幼かった頃、家を出て行った母・豊子 (いしのようこ) を追い掛け、真夜中の街にたたずんでいると、一台のバイクが出現。やがて運転する女に執拗に追われ、次々と恐ろしい体験をするというもの。唯美はのちに、この夢に秘められた意味を知ることに…。大学の寮に暮らす唯美は、ルームメイトの麻衣子 (上野なつひ) と深い友情で結ばれていた。と同時に、彼女の婚約者でエリート銀行員の徳須 (瀬川亮) に密かに憧れを抱いているのだった…。そんな中、唯美に芹亜 (奥村佳恵) という同級生が急接近してくる。
「ブタ志村だわ…彼女はブタ志村よ!」唯美 (三倉茉奈) は、自分と麻衣子 (上野なつひ) の部屋に同居を始めた芹亜 (奥村佳恵) が、元同級生なのではないか、と疑う。中学時代、唯美のクラスには自分と同じ「志村」という名字でセリアという名の少女がいた。男子たちが愛らしい唯美を“姫志村”、容姿の悪いセリアを“ブタ志村”と名づけていたのだった。しかし今、唯美の目の前にいる芹亜はスタイル抜群の美女。昔と比べるとどう見ても別人なのが腑に落ちない唯美。その芹亜は、自分のことを調べたように知りつくしている上、生活態度も悪く、唯美は嫌悪感を抱くのだが…。
「あの整形美人が!」実家に帰った唯美 (三倉茉奈) は芹亜 (奥村佳恵) がやはり“ブタ志村”だと知る。美容整形医の父・征行 (石田純一) が彼女を手術したことが分かったのだった。芹亜の素性を知り、唯美は優越感に浸る一方、なぜ彼女が自分に近づいてきたか考えると不気味な思いもしていた。唯美が寮に戻ると、芹亜と麻衣子 (上野なつひ) の親密度が急に増していた。不愉快な唯美は芹亜に、自分が実家で調べたことを話す。芹亜は自身の整形をあっさり認めるが、他の誰にも言いふらさないよう唯美に詰め寄り…。
結納のため、麻衣子 (上野なつひ) は婚約者の徳須 (瀬川亮) と信州・上田の実家に帰っていった。芹亜 (奥村佳恵) から、実は徳須が、風俗店でアルバイトする彼女の常連客だと聞き、衝撃を受ける唯美 (三倉茉奈)。決して誰にも徳須との関係を口外しないよう、芹亜に迫る。そんな中、母・多嶺 (毬谷友子) や姉・遥香 (小沢真珠) が待つ実家に戻った麻衣子は、母が最近親しくしているという女性と出会う。麻衣子はその女性が、唯美に以前写真で見せてもらった、唯美の生き別れの実母・豊子 (いしのようこ) にそっくりで驚く。一方、唯美は芹亜から、徳須のことが好きなのではないかと指摘される。取り乱す唯美に芹亜は、私たちは秘密で固く結ばれた仲なんだから、と笑い…。
唯美 (三倉茉奈) は、芹亜 (奥村佳恵) が暴走族の女たちから一方的に痛めつけられている姿を目撃する。整形した芹亜の顔がメチャメチャになったら…、と唯美は夢中で駆けつけ、必死で芹亜をかばう。この一件で、距離が近づいたかに見える唯美と芹亜だったが…。結納を終えた麻衣子 (上野なつひ) が信州・上田の実家から寮に帰ってくる。唯美は麻衣子から、生き別れた母・豊子 (いしのようこ) が上田にいると聞かされ、激しく動揺。母に会いたい気持ちと会いたくない気持ちの間で揺れる。芹亜は母が経営するバーに居合わせた麻衣子の婚約者・徳須 (瀬川亮) に、ある依頼をする。それは唯美を巻き込む、とんでもないもので…。
芹亜 (奥村佳恵) が後ろから糸を引いているとは知らず、唯美 (三倉茉奈) は徳須 (瀬川亮) に誘われ、出かけて行く。芹亜はさらに、自分の婚約者と親友がこれから過ちを起こすことなど知る由もない麻衣子 (上野なつひ) に、徳須と早く男女の仲になるようけしかける。高級レストランで徳須と食事を楽しむ唯美。麻衣子に申し訳ないと思うが、心はどんどん徳須に惹かれていく。「僕と君は赤い糸で結ばれているんだ」熱いまなざしで、そうささやく徳須に唯美は…。翌日、寮に帰ってきた唯美を、見透かしたように見つめる芹亜と、何も知らない麻衣子が迎え…。