4分間のマリーゴールド

救急救命士の花巻みこと(福士蒼汰)は、手を合わせた人の「死の運命」が視えてしまう特殊な能力を持っていた。最期の様子を視てしまった患者に対し、みことはあらゆる手を尽くすが、一度視た運命はいつも現実になってしまい、助けたいのに助けられないジレンマを抱えながら、日々救急救命に全力を尽くしていた。そんなみことは父の再婚によって兄弟となった、義姉・沙羅(菜々緒)、義兄・廉(桐谷健太)、義弟・藍(横浜流星)と暮らしている。家族の前では普通に振る舞いながら、みことは誰にも言えない思いを抱えていた。それは、義姉・沙羅を愛してしまったこと。血が繋がっていないとはいえ、戸籍上姉である沙羅への気持ちを抑えるみことだが、その思いは日々募るばかりだった。ある日みことは救急要請で向かった先で、自分の父の死因と同じ病状である男性の心肺蘇生を行う。その時、無情にもみことには、男性の亡くなる前後のビジョンが視えてしまった。運命を変えたい一心でビジョンと違う行動を試みると、患者の意識が戻り一命をとりとめ、みことは初めて死の運命を変えることができたのだった。しかし数週間後、救急要請で向かった先は同じ患者のアパートで…。

１年後の誕生日に最愛の義姉・沙羅(菜々緒)が死ぬ運命にある…。みこと(福士蒼汰)は初めて会った日に視えた沙羅の「死の運命」が今も変わっていないことに動揺するが、絶対に沙羅の運命を変えると心に誓う。そして、沙羅のことを過剰に心配し始めたみことの異変に気づいたのは藍(横浜流星)だった。藍は、みことの様子に違和感を覚える。そんな藍にも実は１人で抱えている秘密があった。藍が料理を始めたきっかけや理由、家族への思いを知ったみことは、藍に「死の運命」が視える特殊能力があることを告白する。ある日、みことは救急出動した先で、藍が料理の師匠と慕う老婦人・和江(松金よね子)と出会う。和江は過去に息子を亡くした寂しさから、むやみに救急車を呼び困らせていた。しかし数日後、和江が本当に病で倒れてしまう。和江の救命に駆けつけたみことは、和江の手に触れた際、彼女の「死の運命」を視てしまい…。

みこと(福士蒼汰)は緊急出動した事故現場で、廉(桐谷健太)の親友で幼なじみの青葉広洋(佐藤隆太)と再会する。フリーカメラマンとして海外で活躍する広洋は、次の仕事で日本を発つまで花巻家で暮らすことになる。藍(横浜流星)の手料理で食卓を囲む中、広洋は絵を描くためにさまざまな世界を見てみたいと言う沙羅(菜々緒)を、自分のアシスタントとして一緒に海外を旅しないかと誘う。沙羅も乗り気になり、みことは複雑な感情を抱く。みことは沙羅の夢を応援したい反面、沙羅との残された時間を考え苦悩する。そんな中、みことは救急で向かった工事現場で不意にケガを負ってしまう。それを聞いて心配で駆けつけた沙羅に対して、みことは平静を装い、沙羅の海外行きの背中を押してしまう…。後日、雨が降り出した日にみことは外出している沙羅を迎えに駅へ向かう。そこで、やはり海外には行ってほしくないと思い切って伝えようとしたみことに、沙羅は突然秘めていた思いを告白し…！？

お互いの気持ちを確かめ合ったみこと(福士蒼汰)と沙羅(菜々緒)。２人はしばらくの間、廉(桐谷健太)や、藍(横浜流星)、広洋(佐藤隆太)に自分たちのことを気付かれないよう“秘密の恋”を育むことにした。一方、みことは研修で赴いた病院で、誰も見舞いに来ない入院患者の二条梓(筒井真理子)と出会う。唯一の身内である娘と、あることをきっかけに長い間会っていないという梓を心配したみことは、手術の前に娘へ連絡することを勧めるが「娘に私は必要ない」と、拒まれてしまう。また、「家族が家族でなくなるのなんて一瞬です」と呟く梓が気になるみこと。ある夜、広洋の誘いで廉を除く花巻家が神社の秋祭りに向かう最中、愛犬・シロとはぐれてしまい、留守番中の廉も自宅を出て探し回ることに。自宅に戻っていたシロを広洋らが見つけ一安心するが、見つかったことを知らない廉は神社へ。その頃、神社で２人きりになったみことと沙羅は、初めてキスをする。そこを偶然廉が目撃してしまい、家長として複雑な思いを抱いた廉は…。

年が明けて、みこと(福士蒼汰)が視た沙羅(菜々緒)の運命の日まで９カ月を切った。みことや廉(桐谷健太)、藍(横浜流星)は沙羅の運命を変えるために試行錯誤するが、何が起きるか分からないまま時間だけが過ぎていった。ある朝、沙羅と洗濯物を取り込んでいたみことは「結婚しよう」と言い出す。みことからのプロポーズを喜んで、受け入れる沙羅。しかし、２人の結婚を知った廉からは「沙羅の命を守れなかった時のことを考えているんじゃないか？」と言われる。みことは否定するが、動揺してしまう。一方、みことの後輩・上田(伊藤あさひ)は、救命の現場での重篤な事案が続いたことから、心身ともに疲弊し、救急隊から内勤への異動を願い出るべきか考えていた。ある日、非番の上田は男児が突然倒れた現場に遭遇。そこに駆けつけたみことは、新人救命士だった頃に同じケースで救えなかった命があったことを思い出す。そんな中、沙羅がやっぱり結婚はやめようと言い出し…。