小学4年生の平勝平太ことカペタは、幼い頃に母を失くして以来、父の茂雄と二人暮し。仕事が忙しい父に運動会に来て欲しいと言えないカペタは、徒競走でノブが父の声援を受ける様子を見て、ペースを落としてしまう。学校帰り、カペタに「本気を出していない」と怒るノブ。3人を相手に“本気”の追いかけっこをするカペタは・・・!? その頃、仕事先でレーシングカートを目にした茂雄は、クルマ好きのカペタを乗せてやりたいと思い、ある案を思いつく。
カペタのために、毎晩遅くまで仕事場に残ってレーシングカートを組み立てている茂雄。だが廃棄場の部品だけではかんじんのエンジンが調達できない。父のことを心配したカペタがモナミと一緒に仕事場に潜入すると、ガレージには「平勝平太」と書かれた自分専用のクルマが・・・!まだ動かないクルマを押して坂の頂上まで運んだカペタは、勢いをつけてカートに飛び乗った。雨の中、斜面を猛スピードで滑り落ちるカペタとノブの前に急カーブが迫る!
イカリ舗装に来てはエンジンが詰まれていないカートに乗るカペタ。エンジンの値段は12万円・・・。そのことを知ったカペタは、カートに乗りたいかと聞く茂雄に、いつものように笑顔で「だいじょーぶ」と答えるのだった。カペタの本当の思いに気づいた茂雄は入門書をめくる。「日本のカートは発電機などに使われるエンジンを用いたことが始まり」という一文を目にした茂雄は、イカリ舗装の社長にかけ合った。サーキットデビューは成功なるか!?
みんなで作ったカートでサーキットを走るカペタ。だがコーナーに差しかかるとタイヤが横滑りを起こした。このカートは右前輪が浮いていて走れないと聞かされたカペタは、走れるからと言ってコースに戻った。ハンドルが取られない角度、体重のかけ方ーー。一つずつクリアしていくカペタを見て、茂雄たちの隣いた謎の美女が「アタマええ子やなぁ」とつぶやく。一方のカペタは、前を走る青いヘルメットのカートを抜きたいとアクセルを踏み込んだが・・・。
目の前の青いヘルメットのカートを抜きたい!不利な4サイクルエンジンで2サイクルのカートを追うカペタ。アクセルを踏み抜くだけではこのスピードが限界。下りのヘアピンカーブ、コースのイン側から突っ込んで勝負をかけるが・・・?戦いは終わり、カペタは青いヘルメットの少年ナオミと、その母・奈々子と対面する。握手を求めてきた奈々子の前で、勝敗を決めるのはカートの性能だけなのかと憤るカペタ。それを見たナオミはカペタに向かって・・・!?
情熱あふれるカペタの走りを見た奈々子は、負け知らずで感情を乱すことがない息子のナオミに、カペタをぶつけたいと考えた。イカリ舗装を訪ねた奈々子は、カペタにレースで使用されるものと同型のエンジンを提供すると申し出る。その代わり、自分のチーム・オートハウスレーシングの一員になって欲しいという条件を提示して・・・。練習でも良いエンジンを使い、良い環境でレースに出場できる。茂雄がうなずきかけた時、カペタが口を開いた。