本作は、メアリー･ヴィリアーズ（ジュリアン･ムーア）の信じがたい実話から着想を得ている。メアリーは、美しくてカリスマ性のある息子ジョージ（ニコラス･ガリツィン）がイングランド王ジェームズ１世の寵愛を受けるように画策する。王の愛人となり、やがて権勢を振るうようになるジョージ。金のなかった母と息子は、イングランドの宮廷でも類を見ないほどの富を持つようになり、数々の爵位を手にし、強大な影響力を誇る人物になっていく。当時のイングランドはスペインの脅威にさらされており、国内では不穏な緊張感が日に日に高まっていた。本作は、壮大な心理戦が繰り広げられる、危険で大胆な歴史ドラマである。野心を抱いた母と息子は、王を誘惑し、果ては王を殺すことになる。この２人が、イングランドの宮廷とジェームズ１世のベッドを支配していく様を描いていく。