島村清吉は日本中の刑務所をタライ回しにされたあげく、関西の某刑務所に移されて来た。その余りにも凄まじい暴れぶりにどの刑務所も悲鳴をあげ、振り出しのこの刑務所に無理矢理押し付けたのだ。所長以下看守達は大恐慌を来たしたが、同房のジョージ、ソロバン、流し、金庫たちにとっては、救いの神のご入来であった。というのも彼らは、他の房の住人・ハイカラ政とその部下ゼロセンに痛めつけられっぱなしで頭が上がらなかったからである。島村と政の戦う日はすぐに訪れたが、懲罰を受けたのは島村だけだった。頭に来た島村は金庫破りの名人に経理課のロッカーから書類を盗み出させる。それには保安課長らが1千万円を越す物資を横流ししている秘密が記されていた。それから数ヵ月後、島村の出所する日が来た。刑務所は喜んだが、大阪のワルイ奴等はいっせいに震えあがる。