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モチーフになった楽曲は、三代目 J Soul Brothersが初めて紅白歌合戦に出場したラブバラード「花火」。様々な分野で表現活動を続ける常盤司郎監督が、メールのメッセージをテロップ表示する手法で、愛しい相手に向けた手紙のような詞の世界に寄り添った。加奈子の知られざる過去に揺れ動く純朴な青年・北川俊介を演じたのは、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」(2014)が好評だった劇団EXILEの町田啓太。SNSを介した会話劇ゆえにセリフのほとんどない難しい役どころだったが、表情や間を使い分けて主人公の葛藤に満ちていく心を表出した。誰にも明かす事の出来ない秘密を持つ恋人・加奈子を演じたのは、アメリカやヨーロッパ、韓国などでボーダレスな活動を見せる女優の玄理。劇団青年団所属の個性派俳優・古舘寛治が、ほぼ声のみの出演ながらも強い印象を残す。