いいね！で目指せ大スター

製紙会社に勤めるかたわら、老人ホームや子供の誕生日パーティでパフォーマンスをする、落ちぶれた俳優のワグネルは、いつか人気者になることを夢見ている。何度受けてもうまくいかないオーディションの審査員や、恋人カタリーナの厳しい父親に認めてもらうべく悪戦苦闘する日々を送るワグネルであったが、そんな中で、友人サラの大学時代の知人であるというブレンドンの力を借りることに。

ジョニーのアドバイスで、ワグネルはＳＮＳを使って偽りの人生を作り上げた。驚いたことに、それが成功を収め、彼は何百万人ものフォロワーを獲得、ネット上で有名人になる。友人のサラが、ワグネルのエージェントを務めることに。彼の両親も、ボリウッド映画に出演するという息子の “功績 ”を誇らしく思っていた。しかし元同僚のリリオは、ワグネルの“功績”をあまりに奇妙だと感じる。そして、気難しいジャーナリストのサンドラも、ワグネルに目をつけ始めるのだった。そんな中、彼のメンタルの弱さを感じたジョニーは、アポなしでリアリティショーの撮影現場に乱入するという、とんでもないことを提案。その結果、番組の視聴率は急上昇するが、ワグネルは逮捕されてしまう。

警察に逮捕されたことで、ＳＮＳでハズったワグネルのフォロワーは300万人を突破。一方、サンドラはワグネルの名声と同じように、映画監督ハメシュの存在自体がでっち上げられたものではないかと考え始めるのだった。これに賛同するリリオは、彼女と手を組んで調査に乗り出す。そんな中、かつてワグネルが恋人カタリーナのヌード写真を投稿していたことが発覚。彼女に非難され、性差別主義者のクズというレッテルを貼られて大バッシングに遭う。この状況を受け、サラは金でフォロワーを増やすことをやめようとするが、時すでに遅し。彼女とリリオが、ワグネルがおかしくなったのはジョニーのせいだと責めるも、このヤバい指導者は友人らの心配をよそに進み続ける。失った影響力を取り戻そうとするワグネルは問題解決の糸口を探し、自分のアカウントがハッキングされたと主張するのだが…。

アンチの批判は続いていた。ジョニーのアドバイスに従って自伝を執筆することを決めたワグネルは、サンドラの番組に出演し、自らがイメージを傷つけられた被害者だと訴える。そして、ＳＮＳで有名人を指弾する風潮に注意を促した。その後、有名人との偽りのロマンスをでっち上げて、インフルエンサーとしての地位を保とうとするのだった。一方、カタリーナはこの機に乗じてファッションブランドを立ち上げ、ワグネルへの復讐を図る。そしてサラとリリオは、ワグネルに対してそれぞれ違う感情を抱いていた。そんな中、ジョニーのアドバイスのもと、ワグネルはスピリチュアル･リトリートで悪いエネルギーを浄化しようとするのだった。

ワグネルは、ジョニーの指示に従い、パラシュートなしでのスカイダイビングに成功。このスタントが話題となり、彼はアルモドバル監督の次回作への出演が決まったと聞かされる。しかし、撮影地であるスペインへ向かう途中、ワグネルを乗せた飛行機が消息を絶ち、ネット上では、さまざまな憶測や説、そして別れの言葉までもが飛び交った。彼が死んだと考える者や、失踪の背後にある邪悪なマーケティング計画を解き明かそうとする者も現れ…。