「名画」。そこはいつも、誰かの「人生」がある。この物語は、ある老夫婦の「いままで」と「これから」に寄り添ってきた「名画」が仕掛ける小さな「奇跡」と「軌跡」の物語。
エピソード1
いつもまぢかに
早瀬宗太郎は、妻のこず枝と共に小さな食堂を営んでいた。しかし、ある日、こず枝が病気になってしまい、お店をしめることに。その翌日、宗太郎は神棚に1枚のメモを見つける。それはこず枝の字で書かれた「映画のリスト」だった。こず枝は宗太郎に「その映画を見て感想を聞かせて」と言う。仕方なく映画のDVDを見始める宗太郎。。映画を通じて夫を変えていく…。それはこず枝の最後の作戦だった。夫が少しずついきいきとしていく様子を見て喜ぶこず枝。だが、病魔は確実にこず枝の体を蝕んでいた…。