推しのアイドルへときめいてしまった結果、首輪が反応しアイドルオタクの大原が脱落してしまった。目の前でその事実に遭遇した5人。どこかで疑っていた「ときめくと死ぬ」というAI犬が課したルールが、この時始めて現実のものだと理解したのだった。絶望に打ちひしがれている中、再びAI犬の陽気な声が響く。「最初の脱落者おめでとう! お祝いにみんなには食糧をプレゼントするよ。」生き延びるためにわずかに与えられた貴重な食糧や毛布。それぞれが分け合おうすると、合田が強引にすべての食糧を奪い去ってしまった。「希望者がいれば、ひとりだけ舎弟にしてやってもいいぞ」その支配的な言葉を受け入れた杉浦が合田を追いかけて行く。死が迫った現実を前に、引き裂かれた5人。その亀裂の先に待っていたのは…。

謎のAI犬の計画によって廃倉庫に閉じ込められ「ときめく」ことを禁じられた6人の男たち。アイドルオタクの大原に続き、IT企業社長の橘も脱落してしまった。クールな印象とは裏腹に、大切に育ててきた娘との再会を願っていた橘。 その願いが叶わぬものとなってしまった橘の死に、合田が関与しているのではないかと角谷は疑っていた。角谷は合田に詰め寄るが、合田は関与を認めないどころか角谷を暴力で追い返してしまう。一方の丸野は、合田を明確に敵視できないでいた。仲間意識を捨てきれない丸野に対し、角谷は苛立ちを隠せない。そんな中、合田の舎弟である杉浦に呼び出された角谷と丸野。2人を前に、合田は「ときめかせ合いゲーム」をすることを強要する。

合田の舎弟･杉浦の裏切りによって合田がときめく秘密を知った角谷は、丸野、杉浦と共に、合田に「作戦」を決行。死別した兄との思い出である「こちょこちょ」によってときめかせることに成功した。作戦を成し遂げた角谷たちだが、その様子をAI犬があざ笑う…

合田を見捨てることができない丸野は、杉浦とともに合田を捜しに出かけたが、杉浦だけが息を切らして戻ってきた。杉浦によると、丸野は隠れていた合田に殴られて捕まってしまったという。状況が把握できず、混乱と困惑の中で丸野の行方を捜していた角谷は、倒れている丸野を発見。反応がない丸野を前にした角谷は、丸野に会えて自分が変われたこと、そして丸野への感謝の想いを伝えられなかったことを後悔し、叫び声が廃倉庫に響いた。そんな中、杉浦が姿を現す。「探してたんだろ」と、杉浦が無造作に転がしたのは、毛布にくるまれた血だらけの合田だった。さらに杉浦は「ときめき」について饒舌に語り始める。それを聞いた角谷は杉浦のこれまでの不可解な行動を思い出し、隠された事実が明らかになる。

何度もこの実験に参加し、その全てで生き残ってきたことを明かした杉浦。実験で勝ち抜く術を身につけた杉浦によってこの実験は支配されていたのだった。自身の秘密を隠すことなく暴走する杉浦だったが、角谷と丸野はその屈折した自己顕示欲を逆手にとり杉浦を自滅させることに成功した。一方で、重傷を負った合田は、角谷と丸野への感謝の言葉を最後に静かに息を引き取った。残されたのは二人のみ。惹かれ合っている者同士の殺し合いを期待して興奮するAI犬が思い出したかのように新たな試練を課した。急なルール変更に憤る角谷と、AI犬の正体を探る丸野にAI犬がこの実験の真実を明かす。