季節は秋。「つる家」というそば屋の店主・種市(小日向文世)は腰を痛め、上方から来た女料理人・澪(黒木華)に板場を任せることになった。その初日、澪が張り切って作ったのは戻りがつおの時雨煮。しかし初物好きの江戸っ子は、初がつおは競って食べるものの、秋の戻りがつおは“猫またぎ”と言って口にしない。澪も種市も、一口食べてみたら戻りがつおのおいしさがわかってもらえると、必死に売り込むのだが…。[TAIG](C)NHK
料理の基本がなっていないと苦言を呈した小松原(森山未來)の言葉が耳から離れない澪(黒木華)は、自分の料理に足りないものはだしであることに気づいた。芳(安田成美)は手本になる味を体験させようと、江戸随一と言われる料理屋・登龍楼に澪を行かせた。最高位の汁を味わった澪は、どうやったらその味が出せるのか試行錯誤するが、なかなかいい味のだしが作れない。そこにおりょうの夫・伊佐三(小林正寛)がやってきて…。[TAIG](C)NHK
澪(黒木華)が発案した「とろとろ茶碗(わん)蒸し」が江戸の料理番付に載った。長年の夢がかなった種市(小日向文世)は大喜び。しかし評判をとったはずの「つる家」では急に客足が落ちる。つる家のとろとろ茶碗蒸しをまねた店が現れたのだ。その店の名は「登龍楼」。料理番付で大関をとった一流店だ。我慢がならない芳(安田成美)は登龍楼に客として入り、とろとろ茶碗蒸しを一口食べるやいなや登龍楼の調理場に駆け込んで…。[TAIG](C)NHK
つる家では、今日から「三つ葉(みつば)尽くし」という献立を出すことになった。「三つ葉尽くし」は澪(黒木華)が試行錯誤を重ねてつくり上げた料理だが、これと同じ献立が昨日から登龍楼で出されていたことがわかる。しかも「三つ葉尽くし」という名前まで同じ。誰かが献立を登龍楼に漏らしたのか…。事情を悟った澪は、自ら登龍楼に乗り込んでいき、店主の釆女宗馬(松尾スズキ)に直(じか)談判するのだが…。[TAIG](C)NHK
火事になったつる家は、澪(黒木華)の幼なじみ、あさひ太夫(成海璃子)の助けで元飯田町に新装開店、活気を取り戻す。一方小松原(森山未來)は嘉祥の儀でこしらえるお菓子の創作に悩んでいた。そんな時、坂村堂(村杉蝉之介)が富三(大倉孝二)という料理人をつる家に連れてくる。富三は、かつて天満一兆庵の江戸出店で料理人をやっており、芳(安田成美)の一人息子・佐兵衛(柳下大)が失踪した裏事情を知っていた。[TAIG](C)NHK
佐兵衛(柳下大)の失踪の謎を知っていた富三(大倉孝二)は芳(安田成美)からかんざしを預かり、それを金にかえて吉原に行き、佐兵衛の行方を調べるという。しかしそれは息子を心配する母心につけこんだ嘘(うそ)だった。富三を信用できない澪(黒木華)は芳のかんざしを返せと富三に迫るが逆に富三に突き飛ばされる。そこに又次(萩原聖人)が現れ富三の嘘を暴く。かつて店の金を使い込んでいたのは佐兵衛ではなかった。[TAIG](C)NHK