オナラブル･ウーマン 熱砂の女

軍事企業を営むイスラエル人の父を目の前で殺された幼いネッサ･スタインと兄、エフラ。それから29年。成長したネッサはエフラと共にスタイン･カンパニーを率い、イスラエルとパレスチナの和平、そして機会平等の実現に貢献するべく通信や教育分野で事業展開に取り組んでいた。実績を認められてネッサは爵位を授かるが、その矢先に、パレスチナでのブロードバンド敷設工事で新たに組むはずだった相手、メシャルが自殺する。疑問を残すその死の捜査にMI6が乗り出すが…。

MI6の中東担当、ヒュー･ヘイデン･ホイルは、メシャルの妻と愛人への聞き込みを行う。誘拐されたカシムの捜索にあたる警察は、ある手がかりから、事件はイスラエルとパレスチナに関連していると見て両方に聞き込みを行うが進展はなく、一方で、重要な証人に死なれてしまう。ヒューはメシャルの愛人への聞き込みから、背後にアメリカの存在を嗅ぎ取るが、上司のジュリアから深入りするなと止められる。爵位を得たことで議会にも出るようになったネッサだが、パレスチナへの歩み寄りが、一部のイスラエル人からの反発も招く。そんな彼女に、あるスピーチの席で電話がかかってきた。

誘拐犯からの電話で、ひとまずカシムの無事は確認された。警察はカシムとエフラの血縁関係を調べるためにDNA鑑定を提案。エフラの妻、レイチェルは夫とアティカの関係を疑う。ネッサのボディガード、ネイサンは誘拐事件で撃たれたケガから回復し、独自にカシムの捜索に乗り出す。ヒューは、スタイン･カンパニー側に焦点を移して捜査を続行、メシャル以前に工事を請け負っていたスタイン家の古い友人、シュロモと接触する。ヒューは別途、エフラにも接触し、ある写真を渡す。DNA鑑定でカシムの父親ではないと証明されたエフラは、その写真を手に、アティカにある疑問を突きつける。

8年前、スタイン･カンパニーのトップはエフラで、ネッサは裏方だった。軍事企業からの脱却を目指す彼らの新規事業は、ヨルダン川西岸へのブロードバンド敷設と、大学の情報工学部の新設で、ネッサは現地の式典に赴く。西岸でネッサを迎えたのは、エフラの通訳でガザ出身のアティカだった。しかし、ネッサは会社からの不審な金の流れに気づき、真相確認のために入ったガザで、テロリストに誘拐されてしまう。エフラは救出に奔走するが、テロリストとの交渉を拒む各方面から断られて窮地に。同じ頃、MI6の副長官だったジュリアは部下のモニカと手を組み、問題の多い長官を追放してその座を奪った。一方で、ガザのネッサは過酷な暴力を受ける。

ネッサとアティカの拘束が続くなか、エフラはイスラエル側から接触を受け、ケーブル工事の続行を余儀なくされる。別口で接触したモニカは、会社のトップをネッサに譲るなら2人を救出できると持ちかけた。エフラの尽力が功を奏し、ようやく救出されるネッサとアティカ。その時、アティカは生まれたばかりのカシムを腕に抱いていた…。その7年後である現在、エフラはネッサとガザにまつわる秘密を知る。一方、ネッサはモニカから得た情報をきっかけに、ケーブルの調査を開始。その結果にショックを受けて、シュロモを激しくなじる。同じ頃、スタイン基金によるテルアビブの大学の情報工学部で、不正入試を疑った教授がマスコミに内部告発をする。

ストレスを抱え、バーで男を誘ったネッサはレイプされてしまう。傷だらけのネッサはヒューたちに助けられて帰宅し、不正入試を告発した教授が殺されたことを知る。犯行声明を出したのは、オランダ在住のイスラエル人右翼、ヤニフ･レビだった。広報のフランシスがこの件のマスコミ対応をしている頃、ネッサのもとを訪れたパレスチナ人の実業家、エルアミンが、カシムの安全と引き替えにケーブル工事を発注しろと迫る。シュロモはケーブル絡みの調査を開始。エフラはケーブルの件でネッサと衝突、会社に関わるなと言い渡される一方で、秘密の多さから、妻のレイチェルにも責められる。