ツタンカーメン ～財宝に隠された真の素顔

これまで多くを見ることがなかった、少年王ツタンカーメンの短く波乱に富んだ人生に光を当てることで、その影響力の大きさが明かされる。

10キロ以上の純金製のツタンカーメンのデスマスク。カルトゥーシュという古代エジプト文字で書かれたネームプレートが破損していることなどから、ツタンカーメンのために作られたものではない、と考える学者が多く、この件は常に議論の的になってきた。もっぱら、ツタンカーメンの女性の祖先であるネフェルティティのために作られたという説が有力で、それを裏付ける証拠もあるようだ。

ツタンカーメンの墓から出土した5,398個の宝物は、現在、カイロの大エジプト博物館に保管され、科学的な分析が進められている。このうち、特に注意を引くのは、ツタンカーメンの家族の様子を描いたものである。もっと興味深いのは、王墓の中で発見された２体の胎児のミイラである。