ハロー張りネズミ

東京都の板橋区、下赤塚にひっそりと佇む「あかつか探偵事務所」。お気楽所員の七瀬五郎（瑛太）と“グレさん”こと木暮久作（森田剛）は、事務所の下にあるスナック「輝（キララ）」にて、今日ものん気にバイトの萌美（片山萌美）にちょっかいを出す日々。そんな時、天井からドンドンと音が響く。さらに３回ドンドンドンと響き、それが所長の風かほる（山口智子）からの依頼の合図だと気付いた五郎とグレは、急ぎ事務所へ戻った。昼間から酎ハイをあおる、かほるに悪態をつかれながら迎えられ、２人は事務所に尋ねてきた依頼主と対面。川田（伊藤淳史）という男の依頼は、なんと、１カ月前に亡くした娘を探してほしいというものだった。その話を聞いた五郎とグレは…。

ある日、「あかつか探偵事務所」を１人の女性が訪ねてきた。五郎（瑛太）とグレ（森田剛）が依頼内容を聞くと、四俵蘭子（深田恭子）と名乗る女性は、２５年前の新聞記事を手渡した。そこには「サンダー貿易副社長・自殺」の記事があり、本当は殺されたと主張する蘭子。殺された四俵乙吉（平田満）は自分の父だという。ただならない依頼だと感じ取ったかほる（山口智子）は、全てを聞かずに蘭子の話を遮り、断ってしまう。失意に暮れて商店街を駅へと戻る蘭子だったが、その蘭子を五郎が呼び止める。「困っている美人は放っておけない」という五郎は、蘭子から２５年前に起こった事件のあらましを聞くことにする。

蘭子（深田恭子）の依頼を受け「サンダー貿易副社長自殺」の真相について調べ始めた五郎（瑛太）たち「あかつか探偵事務所」の面々。殺害されたとされる蘭子の父・乙吉（平田満）と当時交流があったサンライズ出版の南（リリー・フランキー）に関係書類を捜し出してもらうが、それを良しとしない者たちからの邪魔が入る。一方、乙吉の右腕として働いていた元秘書課長の仲井（吹越満）をグレ（森田剛）が探し出し、仲井と蘭子が久々の再会を果たすと、五郎たちの調査に協力することになる。一緒に調査を進めていた仲井は、１枚の現場写真を見て、ふとあることに気がつくが…。

「あかつか探偵事務所」に人気漫画家の北村アキコ（内田慈）という女性が訪ねてきた。その依頼は、娘の七恵（後藤由依良）と２人暮らしの家の中に、ほかの誰かがいる気配がするので調査してほしい、というものだった。奇怪な依頼だったがこの依頼を引き受けることにした五郎（瑛太）たち。２日後、北村が仕事場のマンションに缶詰めになり、七恵が１人で留守番することになった機会を利用して、五郎は北村の自宅に数台のカメラを設置する。すると、七恵が誰かと話をしている様子が映し出される。その後、続々と起こる怪奇現象にどう対処してよいか困った五郎は、南（リリー・フランキー）に相談し、河合節子（蒼井優）という霊媒師を紹介してもらう。

北村家に巻き起こる怪奇現象について調べる五郎（瑛太）と河合（蒼井優）。和室にある床柱から霊気が溢れていて、それが発端となっていると河合は言う。一方、同じく床柱について調べていたグレ（森田剛）は、北村（内田慈）の別れた旦那に話を聞きに行く。聞けば、あの床柱は旦那のお気に入りで、わざわざ辺境の地から取り寄せたものだという。それを聞いた五郎と河合は、早速その場所を訪れ、調査を開始する。すると、その床柱は、ある祈祷師（きとうし）の怨念がつまったものだと分かる。

「あかつか探偵事務所」に五郎（瑛太）宛で、「この手紙が届いたらすぐに私を訪ねてほしい。でも私は死んでいるはずで、部屋の写真立ての裏に犯人の名前を書いておきます…」という内容がつづられた手紙が届く。早速、五郎が手紙の差出人・浅田玲奈（玄理）を訪ねると、自室のテーブルに突っ伏して死んでいる玲奈を発見。警察へ通報し、現場に立ち会う五郎が刑事（岩谷健司）に尋ねると、誰かと争ったような形跡もなく、状況的に服毒自殺が考えられ、死後２～３週間は経っているという。そんな中、五郎は写真立ての裏に貼ってある紙を見つける。警察に悟られないよう事務所へ持ち帰り確認すると、「私を殺した犯人は伊佐川良二（ムロツヨシ）という男です」とのメモが。その伊佐川という男を調べてみると、なんと群馬県の県議会へ立候補している人物だった。