「図書館が管理する本」「その中に存在するそれぞれの世界」という絶妙な世界設定の中で広げられる冒険ストーリー。行方不明になった姉を探して本から本を旅する少女のファンタジックミステリー。血のつながらない姉妹の初美と葉月。妹は、姉に淡い思いを抱いていた。寝ている姉にそっと唇を寄せる葉月…。そんなある日、初美は突然、葉月の前から姿を消す。彼女を探して、葉月は本の世界へと旅立つのだった。 ©ORBIT/ヤミ・ヤーマ図書管理組合
エピソード1
葉月
「初美の体は柔らかくて、暖かくて……。この幸せがいつまで続くだろうかって考えると、泣きたくなるほど悲しかったよ……。」初美と葉月。姉妹……。葉月にとって初美は、大切な存在。それは、愛情。愛……。初美の誕生日の前夜。初美の寝顔にそっと唇を寄せる葉月。午前0時……。突然の光。その光に包まれて初美は、消えてしまう。そして、物語は動き出す。
エピソード2
蓉子
「私は……、臭いに敏感なほうでね……。」突然の衝撃に抵抗できない蓉子。ニヤッと微笑み耳元に顔を近づける将校。背中に冷たい感覚を覚える蓉子。ナイフ……。諜報員。任務遂行。交差する密室劇。ここは夜行列車の世界。
エピソード3
ジル
「ぼくだけを愛して欲しいのに・・・・・・。ぼくだけを・・・・・・。」初美を探す旅に出た葉月。そこは本の中に存在する世界…。その本を管理する図書館。管理者の名は、リリス。リリスとの出会い。リリスが語る初美の存在。イブ……!?……そして、物語はまた別の世界へと。リツコという少女。ガルという少年。そして、不思議な力を使うジルという少女。生と死。憧れ。嫉妬・・・・・・。刻のイタズラが紡ぐ悲しい結末。……結末。いや、それは始まり……。ここは、錬金術の栄えし世界。
エピソード4
マリエル
「どこ?あなたは、どこにいるの……。」とある王国の姫君・マリエルは病床に伏していた。余命僅か……。その命を救った錬金術を使う少女。名前は、リツコといった。マリエル姫の誕生の儀が迫ったある日。そこに現れた青年。名前は……、ガルガンチュア。運命の再会。偶然。必然……。不敵な微笑み。そう。これは、あの小さな村で起きた悲劇から100年余のちのお話し。
エピソード5
クィル
「ん~、いい気持ち」言葉の通じない民との遭遇。未開の国。そこで出会う一人の少女。彼女だけが葉月たちと話ができる。儀式……。リリスを神の遣いと信じる民。その理由は…。神に捧げられる生け贄。邪心の像。申し遅れました、ここは原始創出の世界…。少女の名は、クィルと申します。
エピソード6
ミルカ
「ミルカのこと、いじめる?」南海の孤島。そこに住む少女・ミルカ。外界から閉ざされたその島を訪れた葉月たち。ミルカとともに住むセイレン。セイレンが、リリスを見つめる意味。突然の出来事。天変地異……。静寂は打ち破られる。地面は裂け、空は歪む。ペリペリ……?その現象を少女はそう呼んだ。“ペリペリ”とは一体……。
能登麻美子
清水愛
小林沙苗
大原さやか
高木礼子
福山潤
山口祐司
望月智充