野生動物たちは“空飛ぶ川”を待っている。アマゾンの熱帯雨林が放出する水分が転じた雨雲のことだが、動物の子どもはそれまでに成長し、雨がもたらす恵みを享受できるよう準備しなくてはいけない。フサオマキザルの親子は母親が赤ちゃんを置いて狩りが出来るように親離れを始める。オオカワウソの家族は赤ちゃんに泳ぎ方を教え、ハナグマの赤ちゃんは食べ物を探す練習をする。

ブラジルにモンスーン (季節風) が到来するとともに各地で大雨が降り出す。この時期、フサオマキザルのオスたちは争い、ハナグマは森の木の上に避難し、オオカワウソは増水した川の急流に苦戦する。一方、赤ちゃんたちは急ぎ足で成長中。フサオマキザルは群れで居場所を探し、オオカワウソは泳ぎの練習とトイレトレーニング、ハナグマは狩りの仕方を勉強する。

モンスーンが去って季節は乾季を迎えるが、この頃のブラジルでは干ばつや火災が起きがちだ。群れの中ではそれぞれ、オスとメスで求愛し合う風景が見られる。動物たちは、モンスーンで食べ物が豊かな時期に出産するために次に訪れる雨季に向けて繁殖の準備を始める。