保険調査により、ある老人の死の背景にある複雑な事情や人間模様が浮かび上がっていくヒューマンサスペンス。老練の調査員による執念の調査行、緻密に張り巡らされた伏線、二転三転するストーリー展開など、広川純の原作は「全盛期の松本清張を彷彿とさせる」と賛辞を得ました。監督は重厚なドラマ作りに定評のある堀川とんこう、脚本は清張作品でおなじみの竹山洋。飄々とした調査員を柄本明が演じた骨太な人間ドラマ。
エピソード1
一応の推定
山形県の田舎町、暑い太陽が照りつける7月7日七夕の日。1人の老人が長井駅のホームから転落し、到着した列車に轢かれて亡くなった。彼は3千万円もの高額な傷害保険に3カ月前に加入したばかりの上、移植手術をするしか助かる道のない重度の心臓病を患う孫娘がいた。損害保険会社は、孫の手術費用を作るための計画的な自殺ではないかと老人の死を疑い、保険調査事務所の村越 (柄本明) に調査を依頼する。
柄本明
平岡祐太
酒井美紀
美保純
ベンガル
綾田俊樹
宮川一朗太
遠山俊也
堀川とんこう
広川純
竹山洋