一騎当千

高校生たちが血で血を洗い、互いの骨を砕きあう戦乱の地、関東。そこでは名だたる高校が覇権を争っていた。そんな中、田舎から上京し私立南陽学院に転校してきた格闘技バカな爆乳女子高生、孫策伯符（そんさくはくふ）。彼女は三国時代の英雄の魂を封じ込めた勾玉を身につけ、戦う宿命にある戦士なのだ。転校初日から南陽の闘士たちにストリートファイトを仕掛ける伯符の破天荒さに、伯符の上京を待っていた従兄弟の周瑜公瑾（しゅうゆこうきん）は振り回されるハメに…。時を同じくして、南陽の四天王と呼ばれる最強の闘士たちが、伯符の登場に合わせるようにゆっくりと、そして無気味に動き出した…。

美人のママ・呉栄と共に公瑾の家に居候を始めた伯符は、公瑾から、学校や土地についていろいろなことを教わった。南陽学院は、トップの袁術とその配下の四天王と呼ばれる強力な闘士たち、楽就、左慈、呂蒙、甘寧が牛耳ることで統制が保たれているという。それを聞いた伯符は、強い相手に喧嘩を挑めると解釈して喜ぶ。一方、四天王のひとり、甘寧の携帯メールに袁術から、孫策伯符を始末するよう“勅”（命令）が下る。めったに姿を現わさない学校のヘッドの突然の行動に、四天王および配下の闘士たちに衝撃が走る。そして、伯符は南陽のほぼ全ての闘士から狙われることとなる。果たして袁術が伯符を狙う目的とは、一体何なのか…。

四天王のひとり・呂蒙と戦い、敗北した伯符。負けたショックで落ち込んだ伯符は部屋に閉じこもってしまうが、公瑾は、あの戦いの本当の結末を目撃していた。あの時、呂蒙に締め落とされた伯符だったが、その瞬間驚異的な力を発揮し、呂蒙を病院送りにしていたのだ。公瑾は、伯符が信じがたい変貌を遂げた姿を思い出し、何となくそのことを本人に言いそびれる。一方、ショックから立ち直れず落ち込んだままの伯符は、街を徘徊していた。そして、ナンパ目的のチンピラたちに食事を奢ってもらえると騙され、カラオケボックスに連れ込まれて、貞操を奪われそうになる。だがその時、どこからか謎の少女・于吉が、伯符たちの前に現れて…。

伯符は、許昌学院の夏候惇と出会ったことで戦うことの楽しさを思い出す。その頃街では、反・董卓の先鋒と謳われる許昌学院の夏候惇と南陽学院の伯符が、二人で董卓率いる洛陽高校派の闘士たち相手と乱闘したことで、許昌と南陽が手を組んで董卓に反旗を翻すらしいという噂が広まっていた。南陽の四天王・楽就は、常に伯符と行動を共にする公瑾に詳しい事情を聞きだそうとするが、公瑾はそのことを知らなかった。そんな中、突然姿を消した公瑾。揚州学園の樊能が董卓の命令を受け、孫策伯符を倒すため、エサとして公瑾を拉致したのだ。さらに、伯符を倒すため、揚州最強の闘士・太史慈子義が現れる。

魔王の名を持つ闘士・董卓は、大闘士大会の発布を下した。大闘士大会とは、関東の高校の代表闘士5名が戦って頂点を決める大会だ。大会出場高校の闘士たちが動き始める中、揚州学園の太史慈が仲間に刺され、意識不明の重傷となったと知らされた伯符。太史慈の見舞いに出向いた伯符は、太史慈が負傷した原因が、董卓の伯符抹殺の命令に背いたためであることを知る。怒った伯符は太史慈の仇討ちに揚州学園に乗り込み、闘士の宿命や勅、勾玉など、伯符たちを取り巻く複雑な縛りに対して嫌悪感を示し、大闘士大会への出場を拒否する。その頃、行方不明となった左慈を探しに洛陽高校に出向き、董卓の側近、呂布奉先と遭遇した呂蒙は…。

呂蒙と呂布の戦いは、関東の闘士が頂点を目指す大闘士大会に持ち越された。にわかに活気づく各校の闘士達の携帯電話に、第一戦の南陽学院VS予州学院が池袋駅地下駐車場で行われるとのメールが届く。試合では、予州の顔良の圧倒的なパワーにいきなり潰される南陽の楽就であったが、そこに突然呂蒙が参戦する。一方、大会の状況を知った董卓は、成都の関羽と南陽の伯符を戦わせようとする。伯符の隠れた力が発動すれば関羽との戦いは五分の死闘になるはず。董卓は、自らの障害となりうる二人を一気に潰そうと目論んでいたのだ。また、董卓の命令で左慈のもとへ向かう呂布だったが、左慈と呂布の間には知られざる過去があり…。