11歳のピップは両親共に亡くし、姉とその夫である鍛冶屋のジョーに養われていた。ある冬の日、ピップは両親の墓場から家に帰ろうとする途中で、恐ろしい脱獄囚に遭遇し、“やすり”を持ってくるように脅迫される。ピップは脅されたことを誰にも告げず、“やすり”と同時に、姉が作ったパイを一切れ脱獄囚のもとに持っていく。家に帰り、クリスマスの食事中、先程の脱獄囚が捕えられ、足枷をつけるためにジョーの家に連行されてくる。

ロンドンに向かったピップは、早速法学院にジャガーズ弁護士を訪ねる。ジャガーズは、住む家と今後の生活費について話をし、いよいよピップのロンドンでの生活がスタートする。そこで、ピップは子どもの頃、失礼な態度に思わず殴ってしまったハーバード･ポケットと再会する。2人は会員制の紳士クラブに出入りするようになり、強い友情を築いていく。

ピップに遺産相続を申し出ていたのは、彼が考えていたミス･ハヴィシャムでなく、子どもの頃に脅されて“やすり”とパンを運んだ脱獄囚マグウィッチだった。驚き、嘆くピップだったが、マグウィッチがピップと出逢ったことで改心し、一心に貯めた財産だったことを聞く。同じ頃、エステルは、ドラムルとの結婚式に向かっていた。