クリスマスイブ。ビクトリア時代のロンドン。資産家のハヴィシャム氏が亡くなり、その遺産の大半を長女のアメリアが相続すると知った腹違いの弟のアーサーは激怒し、路上でアメリアを罵倒する。通りかかったコンペイソンがアメリアを助けるが、実はアーサーとコンペイソンは手を組んでいた。スクルージと共同で金貸し業を営むマーレイは、顧客である重篤な孫娘のいる骨董屋や事業が倒産したバーバリを訪ね、情け容赦なく延滞利息を取り立てる。悪党のフェイギンに売春婦のナンシーを依頼し仕事を早く切り上げようとするマーレイにスクルージは怒りを覚え路上で口論となる。その夜、波止場の狭い路地でマーレイの殺害遺体が発見される。
クリスマスの日、警察内に新設された刑事課からバケット警部がマーレイ殺害事件の捜査にやってくる。バケット警部はマーレイの共同経営者、スクルージを聴取。マーレイの手帳には、殺害日の夜に“C”の文字と“ナンシー”の名前が記されていた。骨董屋では、孫娘が奇跡的に回復し、その回復を喜んでいた。クラチット家では長女の婚約者を交えて家族全員で小さなガチョウを分け合って食べ、幸せなクリスマスを送っている。一方、上流階級のバーバリ家長女のフランシスは、家が破産したことも知らずにのん気にホードン大尉と交際している妹オノリアに嫉妬心を募らせていた。また、アーサーはコンペイソンと組んで、姉から全財産を奪う計画を立てる。
殺人事件の噂が街中に広まり、犯人について憶測が飛び交う。そんな中、バケット警部は捜査を続ける。事件当夜、被害者の所へ“ナンシー”という売春婦を送ったのが警部の宿敵であるフェイギンだったことを知った警部は、フェイギンに事情聴取に行き、木製のこん棒を所持していた手下のサイクスを殺害容疑で逮捕する。しかし、そのこん棒と被害者の頭から見つかった木片は一致しなかった。その頃、アメリアがホードン大尉と外出している間に、バーバリ家に大尉の同僚が急用だと言って訪ねてきた。それが大尉の昇進に関わることだと聞いたフランシスは、大尉が来たらすぐに伝えると約束するが妹の結婚の計画を壊すために誰にも伝えなかった。
バケット警部はナンシーから、マーレイとスクルージが路上で争っていたと聞き、帳簿を見せようとしないスクルージが何か隠しているのではないかと疑う。ハヴィシャム家では株主を招いた新年の祝賀会が開催されていた。そこに招待されていないはずのコンペイソンが現れる。女性が経営する企業には絶対に投資しないと言う彼に、アメリアは激怒する。一方、フランシスは街を訪れていた旧友のレスター卿と偶然再会する。彼に好意を抱いたフランシスは彼を自宅へ招待する。フランシスと別れた後、姪たちとオノリアの店へ行ったレスター卿はオノリアの美しさに目を奪われ、彼女がフランシスの妹だと知り驚く。
アーサーがハヴィシャム家での祝賀会から自宅に戻るとコンペイソンが待っていた。話をするうちに、コンペイソンはアーサーの父が息子への愛情を失った理由に気づき、その翌日、アメリアに近づくために考えていた計画を実行に移す。その頃、フランシスは惹かれているレスター卿から、お茶の席で妹のオノリアを紹介してほしいと頼まれショックを受ける。マーレイ殺害事件を追うバケット警部はスクルージからマーレイの帳簿を借り、債務者の名前から犯人の手がかりを探る。そして、ある人物が犯人として浮かび上がる。クラチット家では結婚式を控えたマーサと父ボブが教会へ出発しようとしていた。そこへ思わぬ来訪者が現れる。
マーレイの死後、借金を帳簿から消していたことから、ボブ・クラチットは警察で事情聴取を受ける。何とか疑いを晴らし娘の結婚式へ向かおうとするボブの様子から、バケット警部は彼が犯人ではないかもしれないと思い一時的に釈放する。レスター卿に恋心を抱いているフランシスは、彼が妹オノリアに夢中だと知り失望するが、彼に妹を紹介する。一方、コンペイソンはハヴィシャム家を訪れ、自分の失言についてアメリアに謝罪する。態度を変えたコンペイソンに不意を突かれたアメリアだが、彼に惹かれ始めていた。手ごたえを感じて喜ぶコンペイソンの前に、アメリアのいとこのマシューが現れる。
クリストファー・フェアバンク
Silas Wegg
マーク・スタンリー
Bill Sikes
アレクサンドラ・モーエン
出演者
ピーター・ファース
Jacob Marley
タペンス・ミドルトン