緒方洪庵の適塾で蘭（らん）学を学び、将来を嘱望されながら故郷で村医者を継いだ村田蔵六。嘉永６年（１８５３）、黒船来航という大事件が一介の村医者の人生を変えます。蔵六は宇和島藩から軍艦作りを依頼され兵書を翻訳、兵術に精通していきます。一方、長州の革命思想の源となる吉田松陰も時代に翻弄（ろう）されていました。蔵六とシーボルトの娘イネとの出会いやお琴との結婚、松陰が安政の大獄で処刑されるまでを描きます。[TAIG](C)NHK

安政６年（１８５９）秋、桂小五郎ら松下村塾の門弟たちは、江戸・千住回向院の墓地に、処刑された師・吉田松陰の遺体を引き取りに行きました。そこで女囚の医学的解剖を行う村田蔵六を見て、桂は蔵六こそ長州藩に大切な逸材になると考えます。一方、松陰の処刑に憤った高杉晋作は、師の遺志を継ぐのは自分しかないと決意します。長州藩は攘夷（じょうい）後の開国をにらみ、ひそかに若者たちを留学させるなど力を蓄えていました。[TAIG](C)NHK

桜田門外の変、外国船砲撃と続く時代のうねりの中で、蔵六は長州に戻ります。池田屋の変で新撰組の襲撃を受け、報復で京へ攻め上った長州藩。しかし、蛤（はまぐり）御門の変で敗北、下関戦争にも完敗し、心ならずも朝敵として長州征討の勅命が下ります。危機に陥った長州に俗論派が台頭する中で、高杉晋作が挙兵し倒幕派に統一。やがて桂小五郎も潜伏先から戻り、蔵六は幕府との戦いに備えて民兵組織を作ります。[TAIG](C)NHK

桂小五郎から長州藩に招かれた蔵六は大村益次郎と改名し、兵力強化に尽力。また、坂本龍馬の奔走で薩長同盟が結ばれ、時勢は一気に倒幕へと傾きます。慶応２年（１８６６）、長州に攻め込んだ旧態依然の幕府軍を、益次郎ら長州軍は近代戦法で撃退しました。同年、海軍総督として指揮していた高杉晋作が病に倒れます。慶応３年（１８６７）、「奇兵隊は大村（益次郎）を仰げ」と言い残し、２７歳という若さでこの世を去りました。[TAIG](C)NHK

慶応４年（１８６８）、新政府軍は江戸城の無血開城に成功。抗戦派の彰義隊が寛永寺に立てこもりますが、新政府軍を指揮する大村益次郎は、綿密な作戦を立てて壊滅させました。その後、益次郎は日本近代軍制の確立に奔走します。しかし、明治２年（１８６９）、京都で刺客に襲われて重傷を負い、イネに看（み）取られて生涯を終えました。この番組は著作権上の制約等から、一部放送とは異なる箇所があります。ご了承ください。[TAIG](C)NHK