世に災いをもたらした天邪神は討たれた。しかし、完全に滅んだかに思われた天邪神は9つの邪眼と化し、大千 (だいせん) 世界に潜伏して復活の時機をうかがっていたのだった。5000年という気の遠くなるような時を経て、9つの邪眼は相次いで世に現れる。それは、いまだかつてない災厄が訪れる前ぶれであった…。
エピソード1
第1話
生まれつき霊脈が塞がり、霊力を持たない牧 (ぼく) 域の後継者・牧塵 (ぼく・じん)。万物に霊力が宿る大千世界において、彼は蔑みの対象でしかなく、学び舎の北霊院でも味方でいてくれるのは、親友の譚青山 (たん・せいさん) と唐 (とう) 域の公主である唐芊児 (とう・せんじ) だけである。ある日のこと。霊陣に精通している牧塵は、唯一霊力なしで発動できる“霊縛陣”の修練をしていた。するとそこへ、剣を携えた美しい少女が現われ…。
エピソード2
第2話
五大院入試前の最後の試験に挑むべく、牧塵 (ぼく・じん) たち一行は秘境にやってきた。今回の試験で戦う霊獣は蛇類。蛇が苦手な唐芊児 (とう・せんじ) は気が気ではない。そんななか、果物を探しに行っていた柳慕白 (りゅう・ぼはく) が大きな牙を手にして戻ってきた。まさか蛇牙では――不安がよぎったその時、霊蛇の大群が彼らを襲う。しかし蛇たちは急に攻撃をやめ退散していくではないか。すると突如、地面が大きく揺れ…。
エピソード3
第3話
聚霊陣で修練を行っている最中、洛璃 (らく・り) の霊力が暴走し始めてしまった。ただならぬ様子の洛璃を心配そうに見つめる牧塵 (ぼく・じん)。すると彼女の額に青く光る印――洛神族の神女の証しが浮かび上がった。洛璃の正体を知った学生たちは驚きを隠せない。一方の牧塵は、幼い頃に龍宮で出会ったある少女が洛璃であることに気づき、思わず笑みを浮かべるのだった。そこに、事の次第を聞きつけた学院長の莫師 (ばくし) が駆けつけ…。
エピソード4
第4話
強くなりたい――父・牧鋒 (ぼく・ほう) から、母・清衍静 (せい・えんせい) にまつわる、ある真実を聞いた牧塵 (ぼく・じん) は、改めて五大院の入試を受ける意志を固めた。合格するには3つの難関を突破せねばならず命の危険も伴うが、修練を積み、いずれは天下無敵の強者になると誓った牧塵の心は揺るがなかった。同じ頃、義父の天邪神 (てんじゃしん) から、人族を抹殺すべく邪眼の1つである“蒼穹の眼”を託された温清璇 (おん・せいせん) は…。
エピソード5
第5話
空に現れた邪眼――蒼穹の眼により、五大院の試験中だった学生たちの霊力が吸い取られていく。次々と意識を失う仲間を前にしながら、何もできない不甲斐なさに憤る牧塵 (ぼく・じん)。皮肉なことに、霊力のない自分だけが無事なのである。ところが、そんな牧塵に異変が起こった。突如として彼の体から金色の光が立ち上り始めたのだ。そして、次の瞬間には光の塔となり上空へとほとばしる。その光によって、邪眼は跡形もなく消え…。
エピソード6
第6話
霊力を吸収していた卵から孵化した神獣・九幽雀 (きゅうゆうじゃく) は、牧塵 (ぼく・じん) めがけて羽ばたくと、猛然と襲い掛かってきた。必死に防戦する牧塵。するとその体から、以前に邪眼を一瞬で消した時と同じ光が。光はあの時と同様に空へと向かい、卵が吸い取った霊力を奪おうと開いていた蒼穹の眼を貫き破壊したのだった。その後、しばし上空を旋回していた九幽雀は、意識を失って倒れていた牧塵の体の中へと入っていき…。
ロイ・ワン
オーヤン・ナナ
Zhang Meng
Feng Cheng