お艶率いる安来節の一座は、天にかわってのさばる悪人どもを仕置する殺し旅に出ることになった。今回の依頼人は浮世絵の版元の西村永寿堂。
江戸はずれの隠田村にやってきたお艶らが北斎の絵を火にかざすと、小さな亀が朱に染まった。今度の殺しは“亀”に係わりがあるらしい。
将軍家御飲用の新茶を運ぶ“お茶壺道中”をとりしきるお数寄屋坊主頭の干阿弥は、貧乏な小島藩に、自分の口ききで藩の茶を将軍家御飲用にしてやるともちかけていた。
初鰹を江戸に運ぶ途中の鎌倉七里ヶ浜の網元・魚辰の漁師三人が殺され、鰹は路上に放り出された。
本所立川のおいてけ堀にカッパが出るというウワサ。実はこのカッパの正体は、老盗賊の隼の俊次と一緒に暮らすみなし子の子供達だった。
今度の殺しは下目黒の鷹匠が手がかりだ。下目黒村に入ったお艶一行は、お狩場で将軍家の鷹を馴らすお鷹組組頭の前田伊三郎らの悪行をみた。